前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、序盤からドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、日経平均株価が前日比300円超の上昇となったことも下支え要因となった。しかし、ドル/円は一時110円台まで乗せたものの、110円台での上値の重い動きとなった。その後は、米中通商協議の先行き不透明感を背景に、中国株が大幅下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、トランプ米大統領が、対日本、EUの自動車関税措置を少なくとも180日間延期するとの見解を示したことに加え、5月のミシガン大学消費者信頼感指数が2004 年1月以来15年4ヵ月ぶりの高水準となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、5/8以来の高値を付けたが、終盤には株価が再びマイナス圏まで下落したこともあり、やや上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国の経済指標が好調だったことを背景に、海外市場で上昇した流れが一服したものの、序盤から底固い動きとなった。さらに日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比335円まで上昇したことも加わり、ドル買い・円売りが優勢となった。ドル/円は一時110円台まで上昇した。
(2)110円台では堅調な動きが続かず、上値の重い動きとなった。また、日経平均株価が上げ幅を縮小したことも影響した。さらに、中国国営メディアが、米国がさらなる関税の引き上げを計画している状況下では、中国は米国との通商協議をしないと報道したことを受けて米中通商協議の先行き不安が広がったことで、上海総合など中国株が下げ幅を拡大したことも圧迫要因となった。一方、週末に豪州の総選挙を控えており、世論調査では野党労働党が優勢であることから、政権交代の可能性が意識され、ポジション調整の動きも出ており、豪ドルは円やドルに対して下落した。
(3)中国株が終盤まで下げ幅を拡大したことや、欧州主要株価指数が軒並み下落して始まったことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。一方、英国のEU離脱に関する与野党協議が決裂したことを受けてポンドは軟調な動きとなり、対ドルでは1/15以来の安値を付けた。
(4)トランプ米大統領が、日本やEUに対する自動車関税措置を少なくとも180日間延期するとの見解を示したことに加え、5月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が市場予想を上回り、2004 年1月以来15年4ヵ月ぶりの高水準となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米国がカナダとメキシコに対して鉄鋼・アルミの関税を近く撤廃するとの報道を受けて、下落して始まった米主要株価指数が軒並みプラス圏まで上昇したこともドル円・クロス円の押し上げ要因となった。ドル/円は、5/8以来の高値を付けた。終盤に株価が再びマイナス圏まで下落したこともあり、その後はやや上値の重い動きが続いた。一方、英国のEU離脱に関する与野党協議が決裂したことを受けてポンドは軟調な動きとなり、対ドルでは1/15以来の安値を付けた。
本日のトピックス
東京市場では、日本のGDPがマイナス予想に反してプラスとなったことを受けて、ドル/円・クロス円が上昇しており、ドル/円は一時110.32まで上昇している。この上にはチャ−トのポイントなどもあり上値が意識されることから、この近辺の動きに注目したい。
米国市場では、本日主要な米国の経済指標の発表がないものの、パウエルFRB議長の講演が予定されており、金融政策に関する発言には注目したい。特に、今週は週後半まで連日米金融当局者の発言が続くことから、発言の内容が注目されている。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、持ち合いを上抜けて底固い動きが続いている。ここからさらに上昇が継続するのか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小が続いており、両線はクロス間近となっている。クロスすれば、買いシグナルとなることから、一段の上昇が期待できる形状となる。
上値のポイントは、一目均衡表の基準線、雲下限ラインとなる。基準線は、29日まで110.711で横ばいが続く。一方、雲下限ラインは、本日は110.429、21日が110.781、22日・23日が110.861、24日が110.884となる。
一方、5/13に付けた安値109.024から下値が5営業日連続で切り上がっており、前週末の安値が109.496であることから、ここが目先の下値のポイントとなる。明日には本日の安値がポイントとなることから注目したい。