前営業日トピックス
日本市場が休場となる中、5/5にトランプ米大統領が中国に対する関税引き上げを表明したことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。しかし、中国が貿易協議再開へ交渉団を米国に派遣すると報じられたこともあり、米中貿易協議は継続されるとの楽観的な見方を背景に、底固い動きが続いた。米国市場では、アジアや欧州市場の流れを引き継ぎ、底固い動きとなった。しかし、ダウ平均株価が一時470ドル以上下落するなど、米主要株価指数が軒並み下落したこともあり、上値は限定的となった。その後、株価が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)5/5にトランプ米大統領が中国に対する関税引き上げを表明したことを受けて、ギャップダウンして始まり、ドル円・クロス円は軒並み下落、特にドル/円は3/28以来の安値を付けた。一方、中国との貿易上の影響が深いことから豪ドルも下落となり、豪ドル/円は1/4以来の安値を付けた。
(2)中国は貿易協議再開へ交渉団を米国に派遣すると報じられたことから、米中貿易協議は継続されるとの楽観的な見方を背景にドル円・クロス円は底固い動きとなった。一方、メイ首相が協議内容をリークしたと野党が批判したことが影響し、ポンドはドルなどで上値の重い動きとなった。
(3)5/5にトランプ米大統領が中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)分への追加関税率を10%から25%に引き上げると表明したものの、アジア市場ですでに下落していたことや、米中貿易協議は継続されるとの楽観的な見方を背景に、米国市場での反応は限定的だった。その後は、一時470ドル以上下落したダウ平均株価が下げ幅を大きく縮小したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。朝方、USTR代表が、米国は5/10に対中関税を引き上げすると表明したこともあり、5/7のアジア市場はギャップダウンして始まった。
本日のトピックス
朝方、USTR代表が米国は5/10に対中関税を引き上げすると表明したことを受けて、ドル円・クロス円はギャップダウンして始まったが、反応は一時的で値を戻している。日本市場が大型連休明けとなることから、株価の動きを見極めたいとの思惑もあり、限定的な動きが続く可能性が考えられる。一方、今週米中通商協議が予定されていることから、内容を見極めたいとの思惑が強いことも影響するだろう。
米国市場では、3月のJOLT求人件数の発表が予定されており、求人件数は歴史的高水準を維持しているが、3月の米消費者信頼感指数では、「職が十分」との回答が2ヵ月連続で減少している。一方、「職は不十分」との回答は2ヵ月連続で増加していることから、3月の求人件数は影響を受けるとの見方もあるが、4/30に発表された4月の米消費者信頼感指数では改善していることから、今回発表される求人件数が減少したとしても影響は限定的だろう。
5/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
3月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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735.0万件 | 708.7万件 |
前回は、市場予想に反して減少となり、2018年3月以来の低水準となった。宿泊・飲食業や不動産業などの減少が影響し、市場予想を下回るのは2017年5月以来となった。3月の消費者信頼感指数では、「職が十分」との回答が減っていることから、求人数は今後さらに落ち込む可能性も指摘されている。しかし、4月の消費者信頼感指数が改善したことから、求人件数も改善が予想されている。 |