前営業日トピックス
東京市場では、大型連休を控えた実需の売買が観測されたことや、豪州の消費者物価指数が市場予想を下回ったことを受けて、豪ドルが主要通貨に対して下落した。ドルは対豪ドルで上昇となり、対円でも底固い動きとなった。その後は、日経平均株価や中国株が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、大型連休を控えて様子見ムードが強まりつつあり、値動きは限定的だった。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。背景には、豪州の消費者物価指数が市場予想を下回ったことや、ドイツのIFO企業景況感指数が低下したことで、豪ドルやユーロがドルに対して下落したこと、さらにカナダ中銀が当面利上げを見送る方針を示したことで、カナダ・ドルが対ドルで1/3以来の安値を付けたこともドルの押し上げ要因となった。そして、ドルは対円でも112.40まで上昇し、昨年12/20以来の高値を更新した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)今週末からの日本の大型連休を控えて様子見ムードが強まりつつあり、序盤から小動きの展開となった。その中で、豪州の消費者物価指数が市場予想を下回ったことを受けて、豪州の利下げ観測が強まったとの見方が広がり、豪ドルは主要通貨に対して下落した。ドルは、豪ドルに対して3/11以来の高値を付けたことから、対円でも堅調な動きとなった。
(2)大型連休を控えた実需の売買が見られたほか、小高く始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、中国株が下げ幅を拡大したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)欧米の株価下落を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、米10年債利回りがアジア時間の2.570%から2.516%まで低下したことも影響した。
(4)米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、豪州の消費者物価指数が市場予想を下回ったことや、ドイツのIFO企業景況感指数が低下したことで、豪ドルやユーロは対ドルで下落が続いた。ドルは対豪ドルで3/8以来、対ユーロで2017年6/22以来の高値を付け、対円でも112.40まで上昇し、昨年12/20以来の高値を更新した。一方、カナダ中銀が、声明でカナダの成長予想を引き下げたことや、当面利上げを見送る方針を示したことを受けて、カナダ・ドルが下落したこともドルの押し上げ要因となった。
本日のトピックス
日米の通商協議や財務相協議、4/26の日米首脳会談に加え、日本の大型連休を控えて様子見ムードが強まっており、積極的な売買が手控えられ、限定的な動きが続いている。その中で、本日はトルコ中銀の政策金利発表が予定されており、主要政策金利であるレポレートは24.0%で据え置かれると予想されている。昨年10月に25%を上回った消費者物価指数が、3月には19%台まで低下していることから、利下げのタイミングが注目されており、何らかのヒントが示される場合には動きが出る可能性もあり、注目したい。米国市場では、新規失業保険申請件数、耐久財受注の発表が予定されているが、様子見ムードが強まっていることから、市場予想と大きく乖離しなければ、限定的な動きが続くだろう。ただ、現状では、他通貨の低調な動きが続いており、必然的にドルに資金が流れる動きとなっていることから、指標の結果が良好なら追い風となる可能性もあるだろう。
4/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数 ![]()
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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20.0万件 | 19.2万件 |
前週は、5週連続の減少となり、1969年9月以来の低水準に改善した。今回は、前週からの増加が予想されているが、ここまで7ヵ月連続で市場予想を下回る結果が続いており、今回も予想を下回る改善を期待する向きもある。 | ||||
21:30 | 米国 |
3月耐久財受注(前月比) ![]()
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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0.8% | -1.6% |
前回は、市場予想と一致し、4ヵ月ぶりのマイナスとなった。輸送機器や資本財の受注が大きくマイナスとなったことが影響した。今回は、改善が予想されているが、前回大きく減少した航空機の改善が見込まれているが、変動の大きな航空機を除く指数が改善するのかにも注目したい。 |
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート 日足
ユーロ/円は、一目均衡表の雲を下抜けており、ここから下げが加速するのか、底固い動きとなり再び雲を上抜けるのか見極めたい。
現状では、一目均衡表の基準線(125.225、来週まで横ばい続く)を下抜けていることや、オシレーターのMACDで両線がクロスしていることから、下振れの可能性が高いと予測できる。目先の下のポイントは、(1)124.773 (2)124.435 (3)123.649 近辺と考えられる。
一方、基準線を上抜け、雲も上抜ける場合には、再び堅調な動きに転換する可能性も考えられる。そのため、目先の上値のポイントは、(1)125.225(基準線) (2)125.479(雲上限ライン) (3)126.059(レジスタンス)となる。
気まぐれ投資コラム
今後の豪州の金融政策発表に注目
昨日、オーストラリアの消費者物価指数(CPI)が発表され、前年比ベースで1.3%となり、市場予想の1.5%、前回結果の1.8%を下回る結果となり、2016年9月以来の低水準となりました。この結果を受けて、豪ドルはドルや円など主要通貨に対して下落となり、豪ドル/円は発表直後に79.32から78.50まで下落し、4/13以来の安値を付けました。
オーストラリア中銀は、インフレ率が低水準に留まり、失業率が上昇し続ける場合には利下げが適切になるとの見方を示していました。先週発表された豪州の雇用統計では、失業率が前月から上昇となったことに加え、今回の消費者物価指数の低下を受けて、年内利下げの観測が高まったことが圧迫要因となっています。
金利先物市場では、消費者物価指数の結果発表を受けて、年内の利下げ確率が高まっています。現時点では、5/7の金融政策発表での利下げ確率は56.5%と、発表前の11.9%から上昇しています。さらに、6月は71.0%と24.7%から上昇、7月は77.2%と40.8%から、8月は81.6%と54.4%からそれぞれ上昇しています。
日本の大型連休明けの5/7に予定されている豪中銀の金融政策発表での利下げの可能性は、金利先物市場の予想確率よりは高くないと考えられます(指標の悪化が一時的かどうかを見極めるため)。ただ、次の雇用統計での失業率や、消費者物価指数の結果が冴えない結果となるようなら、利下げの可能性がさらに高まる可能性も考えられるため、今後の豪州の指標結果、物価動向に影響しやすい原油価格には注目です。

※出所:データを基にSBILMが作成

※出所:データを基にSBILMが作成