前営業日トピックス
東京市場では、茂木再生相が初日の日米通商協議後、記者団に対して、「具体的な議論の内容は翌日の協議終了後に話す」と発言したことから、2日目の発表を見極めたいと様子見ムードが強まり、小動きの展開となった。さらに、米長期債利回りが低下したことが影響し、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米長期債利回りの上昇を受けて、ドル/円は堅調な動きが見られたものの、米経済指標がまちまちの結果となったことに加え、日米通商協議に結果を見極めたいとの思惑もあり、ドルは方向性に乏しい動きが続いた。さらに、イースター休暇を控えて主要通貨のボラティリティーが低下傾向にあることも影響した。その中で、ポンドやユーロに対してドルは堅調な動きとなったこともあり、ドル/円は112.00を挟んで底固い動きが続いた。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ワシントンで開催されている日米通商協議に参加した茂木経産相は、自動車の数量制限、為替関連について、翌日説明するとしたことで反応は限定的となった。また、下落して始まった日経平均株価がプラス圏まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)新規材料に乏しく、日米通商協議の2日目を控えて様子見ムードが強まっており、限定的な動きとなる中で、米10年債利回りが2.554%から2.545%まで低下したことから、ドル/円はやや上値の重い動きとなった。一方、豪中銀の理事会の議事要旨で、インフレは当面抑制されるとの見方が示されたことや、利下げが適切となるシナリオが議論されたことが明らかにされたことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して下落した。
(3)英政府とのEU離脱協議が行き詰まったとの英野党・労働党のコービン党首の発言を英紙が報じたことや、ユーロ圏経済の回復予測に対して、ECB理事会で疑問視する当局者がいたとの報道も加わり、ポンドやユーロがドルに対して下落したことを受けて、ドルは序盤から円に対しても堅調な動きとなった。
(4)米経済指標がまちまちの結果となったことに加え、日米通商協議に結果を見極めたいとの思惑もあり、ドルは方向性に乏しい動きが続いた。一方、米主要株価指数が半年ぶりの高値を付けたこともあり、クロス円も底固い動きが続いた。
本日のトピックス
週末のイースター休暇が意識され始めており、一部のマーケットではすでに薄商いとなっている。一方、為替市場でも主要通貨のボラティリティーが低下傾向にあり、全般的に狭いレンジでの動きとなっている。日米通商協議の結果を見極めたいとの思惑があったことも影響した。2日間の日程で実施された日米通商協議では、一部で踏み込んだ議論が予想されていたが、次回以降早期の合意に向け議論を加速すると茂木経財相が発言したことから、双方の意見を確認しただけに留まり、結論を先送りしたようにも見える。そのため、一部で懸念された大きな動きにはつながらなかった。そして、イベントが終了したことで、休暇も意識され限定的な動きが続く可能性が考えられるが、休暇を控えたポジション調整の動きが出るケースもあることから、一応注意しておきたい。
4/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月貿易収支 ![]()
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-535億USD | -511億USD |
前回は、市場予想を上回る改善となり、12月の10年ぶりの高水準となった赤字額は大きく縮小した。特に、中国からの輸入が大きく減少したことが影響した。今回は、前月から赤字額が拡大すると予想されており、前回の急速な減少の反動とも考えられる。通商交渉が実施されたこともあり、対日、対中の赤字額の推移にも注目したい。 |