前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から300円以上の上昇となったことを好感し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後は、実需のドル売りや米国債利回りの低下などもあり、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表されたNY連銀製造業景気指数が、市場予想を上回る伸びとなり、昨年12月以来の高水準となったことが好感され、ドルは堅調な動きとなった。しかし、米主要株価が軟調な展開で始まったことや、シカゴ連銀総裁が政策金利変更は来年遅くまで必要ないとの認識を示したことを受けて、ドルはやや上値の重い動きとなった。ただ、日米通商協議を見極めたいとの様子見ムードも根強く、限定的な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ムニューシン米財務長官が先週末に、日本との貿易協定に為替操作を防ぐための条項を盛り込むことを目指すとの考えを示したことが影響し、序盤のドル/円はやや上値の重い動きとなった。しかし、先週末の欧米の株価上昇を受けて、日経平均株価が序盤から300円以上の上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は112.10まで上昇し、3/5以来の高値を付けた。
(2)仲値公示にかけては本邦輸出企業のドル売り・円買い観測から、ドル/円はやや軟化した。さらに、米10年債利回りが2.561%から2.552%まで低下したことや、ワシントンで開催される日米通商協議内容を見極めたいとの思惑もあり、やや上値の重い動きとなった。
(3)ドル/円は、111.90台での底固い動きが続き、米国市場では、序盤に発表されたNY連銀製造業景気指数が、市場予想を上回る伸びとなり、昨年12月以来の高水準となったことが好感され、ドル/円は一時112円台まで上昇した。
(4)エバンス・シカゴ連銀総裁が、国内のインフレは望ましい水準よりもやや低いとしたほか、政策金利変更は来年遅くまで必要ないとの認識を示したことを受けて、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、米主要株価が軟調な展開で始まったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、引けにかけては米主要株価指数が下げ幅を縮小したことや、日米通商協議を見極めたいとの様子見ムードが根強いことから、限定的な動きが続いた。
本日のトピックス
日米通商協議がワシントンで開催され、初日が終了。茂木経財相が、注目されている自動車関税や為替条項に関する具体的な話は2日目にするとしたことで、本日の協議が注目される。マーケットでは、思惑が交錯しており、日本の通貨安への批判があるとの指摘も出ている。特に、今週中に半期に一度の米為替報告書の発表も予定されており、前回日本は監視対象国に指定されたことから、今回の結果に対する警戒感も広がっている。通商協議の結果が出るまでは様子見ムードが強まる可能性も考えられ、また週末にはイースターを控えていることも影響し、限定的な動きが続く可能性も考えられる。
4/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:15 | 米国 |
3月鉱工業生産(前月比)
鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
|
0.2% | 0.1% |
前回は、市場予想を下回ったものの、3ヵ月ぶりにプラスに転じた。製造業はマイナスが続いたものの、電力・ガスがプラスに改善したことが押し上げ要因となった。今回は、一段の上昇が予想されている。また、前回予想を上回り、今回も上昇が見込まれている設備稼働率の結果にも注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
|
63 | 62 |
前回は、市場予想を下回り、2月から横ばいとなった。一戸建て住宅販売の現状、見通しが上昇となり、昨年10月以来の高水準となったものの、見込客指数が低下したことが影響した。今回は、上昇が見込まれており、特に、見込客指数の改善があるのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ユーロ/ドルは、一目均衡表の基準線、雲下限ライン近辺で上値が抑えられている。ここから、雲の中に完全に入り込み、基準線を上抜ける動きとなれば、一段の上昇も考えられる。しかし、上値の重い動きとなり、基準線、雲下限ラインを抜け切れない場合には、再び軟調な動きとなる可能性も考えられる。
オシレーターのMACDでは、両線上向で乖離幅の拡大が続いており、堅調な展開を示唆する形状となっている。しかし、このところは、ゼロライン近辺で失速するケースが続いていることから、乖離幅が縮小し始める動きには注目したい。
基準線を完全に上抜ける動きとなる場合には、一目均衡表の雲上限ラインの1.1373が上値の目標となり、下げに転じる場合には、1.1176〜1.1184が下値の目標となる。
気まぐれ投資コラム
今年のイースター前後の動きは?
4/19の金曜日がグッドフライデー(Good Friday・聖金曜日)、4/21の日曜日がイースター(Easter・復活祭)となり、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなどの多くの国々では国家の祝祭日となっています。ドイツや英国などは4/19〜22までが連休となり主要市場が休場、米国では4/19に一部の市場(株式・債券市場が休場)が休場となります(4/22は通常通り)。
イースターは、キリスト教の典礼暦における最も重要なお祝いの日で、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に甦ったことを記念し、春の自然の甦りを祝うお祭りとなっています。そして、復活の象徴である卵を食べたり、ペインティングした卵を贈り合ったりして盛大に祝います。毎年3/21以降の満月の日から最初の日曜日がイースターとなり、今年は3/21以降の最初の満月が4/19となることから、最初の日曜日である4/21がイースター、4/19がグッドフライデーとなります。
イースター前後のドル/円の動きを見た場合、過去5年間のイースターの前と後での変動幅を比較した場合、イースター後の動きの方が比較的大きくなる傾向があります。イースターの連休を控えて徐々に市場参加者が少なくなる傾向から、イースター前はやや小動きとなる傾向があります(ただ、薄商いのため、まとまったフローがあると2015年のように大きな動きとなるケースもあります)。イースター前は、欧米など多くの市場が休場となりますが、イースター明けは米国市場が通常通りとなることが影響しているとも考えられます。過去5年間のイースターを挟んだ4日間の平均変動幅は0.71円です。今年のイースター前後の動きはどうなるでしょうか?
※出所:データを基にSBILMが作成