前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことに加え、中国の習主席が米国との通商協議で大幅な進展があったという見方を示したとの報道を受けて、米中通商協議の合意への期待感が高まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後は、米雇用統計の結果発表を控えて様子見ムードが高まっており、限定的な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された3月の米雇用統計が強弱まちまちの内容だったことを受け、ドルは上下に大きく振れたが、方向感には乏しい動きとなった。その後、トランプ米大統領の発言を受けて動きが出たものの、反応は一時的だった。一方、メイ英首相がEU離脱を6/30まで延期することを要請したが、EU側との交渉が難航する可能性があるとの見方を背景に、ポンドは下落が続き、週明けからの対ドルでの上昇を帳消しにした。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)中国の習近平国家主席が米国との通商協議で大幅な進展があったという見方を示したとの報道を受けて、ドル買いが優勢となった。また、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことも影響した。さらに、新年度入り後最初の五・十日で実需のドル買い観測もあり、ドル/円は111.80円まで上昇し、3/15以来3週間ぶりの高値を付けた。
(2)仲値公示通過後は、やや上値の重い動きとなったが、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードもあり、ドルは小動きの展開が続いた。一方、EU大統領が英国に離脱期限の12ヵ月の延期を提案との報道を受けて、ポンドはドルや円などに対して上昇した。ただ、その後は上昇が続かず反落した。
(3)3月の米雇用統計では、失業率が49年ぶりの低水準を維持し、非農業部門雇用者数が市場予想を上回る結果となったものの、平均時給が市場予想を下回る結果となるなど、強弱まちまちの内容だったことを受け、ドルは一時上下に大きく振れたが、方向感に乏しい動きとなった。一方、メイ英首相がEUのトゥスク大統領に宛てた書簡で、EU離脱を6/30まで延期することを要請したものの、EU側との交渉は難航する可能性があるとの見方を背景に、ポンドはアジア市場からの下落がNY市場まで続き、週明けからの対ドルでの上昇を帳消しにした。
(4)トランプ米大統領が、FRBは政策金利を引き下げ、量的緩和を再開するべきだと発言したことを受けて、ドルは動きが出たものの、ここでも反応は一時的となった。
本日のトピックス
本日は、雇用統計後の週明けであるが、まちまちの結果となったこともあり、影響は限定的だろう。4/10には臨時のEU首脳会議、ECB理事会とドラギ総裁の会見、FOMC議事録公開、4/11にはG20(〜4/12)、4/12には英国のEU離脱交渉の延長期限などの注目材料があるが、それまでは目立った材料に乏しいことや、米国の主要な経済指標の発表も少ないことから、限定的な動きが続く可能性が考えられる。ただ、英国のEU離脱問題や、トルコの政治関連などの報道や要人発言には、このところ比較的敏感に反応していることから注意したい。
4/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
2月製造業受注指数(前月比)
製造業新規受注は、米国の製造業の新規受注など受注関連を集計した経済指標であり、設備投資などの先行指標とされている。特に振幅の大きい航空機を除いた非国防資本財受注が注目されることもある。
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-0.5% | 0.1% |
前回は、市場予想を下回り、12月から横ばいとなった。そして、変動の激しい輸送機器を除いた受注が3ヵ月連続のマイナスとなったが、2ヵ月連続でマイナス幅が縮小した。今回は、マイナスが予想されており、3ヵ月ぶりにマイナスに落ち込むのかが注目される。また、輸送機器を除いた受注が4ヵ月連続のマイナスとなるようなら、マーケットへの影響も懸念される。 |
気まぐれ投資コラム
ドルの主要6通貨に対する買い越し額は、昨年12月以来の高水準
CFTC(米商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の投機部門の取組(4月2日までの週)では、ドルの主要6通貨に対する買い越し額は323億ドル(前週は292.5億ドル)となり、昨年12月以来の高水準となりました。また、主要10通貨では276億8000万ドル(前週242.2億ドル)の買い越しでした。対ドルで、円は62741枚(前週62121枚)の売り越し、ユーロは99184枚(80278枚)の売り越し、ポンドは9931枚(8582枚)の売り越し、豪ドルは55743枚(53670枚)の売り越し、スイスフランは26266枚(27295枚)売り越しでした。
※出所:データを基にSBILMが作成
※出所:データを基にSBILMが作成