前営業日トピックス
東京市場では、朝方メイ首相と欧州委員会のユンケル委員長が会談で離脱協定案の修正で合意したことを受けポンド買いとなったことや、日経平均株価が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円が堅調な動きとなった。その後は、上海株などアジア株が上げ幅を縮小する動きとなったことから、上値の重い動きとなった。
米国市場では、米消費者物価指数がやや冴えない結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、下落して始まったダウ平均株価がプラス圏まで上昇したこともあり、ドルは底固い動きとなったが、米国債利回りの低下が続いたことから上値は限定的となった。そして、メイ英首相がEUと合意したEU離脱協定案の英議会での採決は、反対多数で否決されたことから、ポンドは上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)メイ英首相とユンケル欧州委員会委員長が会談し、離脱協定案の修正で合意したことを受けて、英議会で離脱修正案が可決するとの見通しが高まったことを受けて、ポンドが対円などで上昇となり、ドル/円やその他のクロス円も連れ高となった。さらに、海外市場の株高を受けて日経平均株価が堅調な動きとなったことも影響した。
(2)上海株などアジア株が上げ幅を縮小する動きとなったことが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、新規材料に乏しい中、米国債利回りが上昇したことを受けて、底固い動きとなった。
(3)英法務長官が、英国はEU関税同盟に無期限にとどまり続けるリスクは依然残るとの法的見解を示したことを受けて、ポンドが対円などで下落する動きとなり、ドル円やその他のクロス円も連れ安となった。米国市場の序盤に発表された2月の米消費者物価指数は、コア指数が前月比、前年比ともに予想外に鈍化したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(4)下落して始まったダウ平均株価がプラス圏まで上昇したこともあり、ドルは底固い動きとなった。しかし、米10年債利回りが2.671%から2.592%まで低下したことが影響して、上値の重い動きとなった。
(5)メイ首相がEUと合意した英国のEU離脱協定案の英議会での採決は、賛成242、反対391で否決された。ほぼ直前に予想されていた賛成票通りの結果となったことや、前回(230票)ほど票差が拡大しなかったこともあり、一時買戻しの動きが見られたものの、前日にメイ英首相がEUと合意した修正案が再び否決されたことで改めて不明感が広がり、先行き懸念からその後再び売られる動きとなった。
本日のトピックス
メイ首相とEUで合意されていたEU離脱協定案は、英議会で否決されたが、事前のメディアなどの予想とほぼ一致する結果となった。本日は合意なき離脱の採決、3/14日には離脱延期の採決が予定されており、これらの結果が注目されている。たた、昨日のポンドの動きなどから、マーケットでは方向性がつかみ難いとの意見も多くなっていることから、値動きには十分に注意したい。
米国市場では、耐久財受注の発表が予定されているが、マーケットの注目が英国のEU離脱問題に向いていることから、反応は限定的だろう。その中で、米30年債の入札が予定されているが、昨日の10年債入札では最高落札利回りが約1年2ヵ月ぶりの低水準となり、応札倍率も前回を上回る結果となったことから、一応注目しておきたい。引き続き需要が強ければ、米国債利回りの低下につながり、ドルを圧迫する要因となる可能性も考えられる。
3/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
1月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-0.5% | 1.2% |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、前月からは若干上昇となった。2018年10月に2017年7月以来の大きな減少となった後は2ヵ月連続の上昇となっている。今回は、3ヵ月ぶりにマイナスに落ち込むと予想されており、変動の大きな輸送機器を除く指数がマイナス(予想は+0.1%)となる場合には、懸念が高まる可能性も考えられる。 |