前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価や上海株がマイナス圏まで下落したことを受けて、序盤のドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、株価が再び堅調な動きとなったこともあり、底固い動きとなったが、値動きは限定的だった。 海外市場では、やや上値の重い動きとなり、米国市場序盤に発表された米小売売上高が予想を上回る結果となったものの、前月結果が下方修正されたことから、ドルはやや上値の重い動きとなった。ただ、米主要株価指数の堅調な動きが続いたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)パウエルFRB議長がインタビューで、金利変更を急がないとの考えを示したものの、マーケットへの反応は限定的だった。その後、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)日経平均が再びプラス圏まで上昇したことや、上海株が堅調な動きとなったことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米10年債利回りが2.657%から2.630%まで低下する動きとなったことから、ドル/円は上値の重い動きとなった。米国市場では、序盤に発表された米小売売上高が予想を上回る結果となったことを受けて、ドル買いに反応したものの、11月分、12月分が下方修正されたことで、昨年の第4四半期GDPが下方修正されるとの懸念が高まり、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
(4)米主要株価指数の堅調な動きが続いたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、メイ英首相とユンケル欧州委員長の会談が急遽設定されたことで、英国のEU離脱が延期されるとの見方から、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。特に、対ドルでは8営業日ぶりに上昇に転じた。
本日のトピックス
朝方、メイ英首相とユンケル欧州委員長の会談が実施され、5/23までの離脱延期で合意した。本日は、英議会での離脱協定修正案の採決が実施予定(日本時間3/13のAM4時頃)となっている。可決されれば「秩序ある離脱」が進展するが、否決される場合には、翌日の議会で「合意なき離脱」の是非を問う採決が行われる。これが可決される場合には、合意ある離脱が決定となるが、1.「離脱協定で示された内容以上に明確に優位な法的拘束力を伴う条項」 2.「アイルランド国境を巡るバックストップ(安全策) が一時的なものになるという以上の強い表現」 3.「将来の貿易協定に関する協議が不調に終わった場合のバックストップからの無条件かつ明確な離脱方法が明記されること」など、こうした 条件が満たされれば、メイ首相の修正案に賛成票を投じると見られているだけに今回のユンケル欧州委員長との会談を経て、今晩の修正案の採決は可決承認される見通しと見られます。米国市場では、消費者物価指数の発表が予定されており、このところインフレ率が抑制されていることで結果が注目されている。
3/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.2% | 0.0% |
前回は、前月比、前年比ともに市場予想を上回る結果となったが、前年比では2016年9月以来の低い伸びとなり、引き続きインフレ率が抑制されていることが示された。今回は、前回を上回る伸びが予想されているものの、前年比では依然として当局目標となる2%を下回る水準が予想されており、利上げに関して辛抱強くなるとの裏づけが続くだろう。 |