前営業日トピックス
東京市場では、先週末の米大統領の発言が材料視され、序盤はドル売り・円買いが先行した。その後は、日経平均株価が上昇して始まったことや、ドル買い戻しも加わり、底固い動きとなった。ドル/円は、112円台手前で推移し、その後は米長期金利が低下したこともあり、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、欧米の株価が堅調となったこともあり、序盤は底固い動きとなったが、米経済指標が予想外の悪化となったことや、トランプ大統領の弾劾懸念などの政局不安、さらに米主要株価指数が軒並み下落に転じたことも加わり、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。終盤にかけて株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米大統領が、先週末にFRBの金融引き締めはドル高につながっているとし、他国との取引ができなくなるような強いドルは望んでいないと発言したことが、改めて材料視され、序盤のドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、ショートカバーも入り、ドル/円は一時112.01円まで上昇した。
(2)新規材料に乏しい中で、日経平均株価や中国株が堅調な動きとなったものの、ドル/円は112.00円近辺で上値の重い動きが続いている。一方で、米中通商協議が進展して最終局面に入ったとの報道もあり、底固い動きも見られ、狭いレンジ内の動きが続いた。その後、米長期債利回りが低したことや、ドル売り・円買いの動きもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米中貿易協議が最終局面に入ったと米紙が報じたことが材料視され、協議進展に対する期待感を背景に、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことも好感された。ただ、冴えない英経済指標の結果が嫌気され、ポンドはドルや円などに対して軟調な動きとなった。
(4)12月の米建設支出が予想外のマイナスに落ち込んだことで、第4四半期GDPが下方修正されるとの懸念や、トランプ大統領の弾劾懸念など政局不安、さらにこれらを受けて序盤堅調な動きだった米主要株価指数が軒並み下落に転じたことも加わり、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、終盤にかけて株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
本日のトピックス
中国では、全人代(全国人民代表大会)が開幕する。中国経済の鈍化が指摘されていることもあり、景気刺激策が打ち出されるようなら中国株が敏感に反応し、日本や欧米の株式市場にも波及する可能性も考えられる。その場合には、ドル円・クロス円にも影響するだろう。
米国市場では、新築住宅販売件数、ISM非製造業景況指数の発表が予定されており、週末に雇用統計を控えていることもあり、比較的関連性が高いとされるISM非製造業景況指数の雇用指数の結果に注目したい。
3/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
2月ISM非製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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57.3 | 56.7 |
前回は、市場予想以上の低下となり、昨年7月以来の低水準となった。新規受注が1年ぶりの低水準に低下したことなどが影響し、サービス関連の減速が示される結果となった。今回は、改善が予想されており、総合指数もさることながら、前回4ヵ月ぶりに上昇に転じた雇用が引き続き改善が続くのかにも注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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59.0万件 | 65.7万件 |
前回は、市場予想に反して増加となり、昨年3月以来の高水準まで改善した。西部地区以外が増加となり、特に最大市場の南部が20%以上の伸びとなったことが影響した。今回は、前回の大幅増の反動などもあり、減少が予想されている。12月を除く昨年の平均が62、過去3年間の平均が60であることから、これらを下回る場合には、住宅市場の鈍化懸念も再び意識される可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ポンド/円は、年初来高値を更新し、堅調な動きが続いているがやや一服も見られる。ここから一段の上昇となり、昨年5/28以来の150円台乗せとなるのか、150円台を前にして失速する展開となるのか注目したい。昨年5月以降、何度か150円台乗せを試している(7月、9月〜11月)が、いずれも150円台手前で失速している。
現状では、上値目標計算値は150.018と計算できるが、オシレーターのMACDで両線の乖離幅がやや縮小し始めていることや、日柄的には2/28-3/7で高値を付ける可能性が予測できることから、今週の動きがポイントとなるだろう。
今後の動きを見る上で、MACDで両線の乖離幅が再び拡大となるのか、縮小が続く(その場合先行するラインが失速する)のか、ラインの動きなどに注目したい。調整となる場合には、一目均衡表基準線、トレンドライン近辺までが想定される。