前営業日トピックス
東京市場では、米朝首脳会談の結果を見極めたいとの様子見ムードもあり、序盤から小動きの展開となった。その中で、日経平均株価が軟調な動きとなったことや、米長期金利が低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。米朝首脳会談で合意がなかったことや、共同声明もないとの報道を受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、円買いが優勢となった。
米国市場では、序盤に発表された米10-12月期のGDP、シカゴ購買部協会景気指数が市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、米国債利回りの上昇もドルの押し上げ要因となった。一方、米株式市場では、米朝首脳会談が非核化に関する合意ができなかったことを背景に地政学リスクが意識され、主要株価は下落した。ただ、良好な米指標結果を受けて、下値は限定的となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米朝首脳会談などの注目イベントが予定されており、序盤から様子見ムードが高まっていた。その中で、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きが続いた。一方、オーストラリアの民間設備投資が良好な結果となったことから、豪ドルは堅調な動きとなった。
(2)米朝首脳会談が始まって様子見ムードが強まり、狭いレンジ内の動きが続いた。そして、米朝首脳会談が予定より早く終了となったことや、米朝首脳会談で合意がなかったこと、さらに一部で期待されていた共同声明もないことが明らかとなったことから、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米10-12月期のGDPが市場予想を上回る伸びとなったことや、シカゴ購買部協会景気指数が2017年12月以来の高水準まで上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また米国債利回りの上昇もドルの押し上げ要因となった。
(4)米10年債利回りは、序盤の2.662%から2.729%まで上昇し、2/4以来の高水準となり、このタイミングでドル/円は111.49まで上昇し、12/20以来の高値を付けた。なお、複数の米当局者の発言があったものの、マーケットへの反応は限定的だった。
本日のトピックス
注目されたイベント(FRB議長の議会証言、米朝首脳会談、米GDP)が終了したことで、やや一服となる可能性が考えられる。ドル/円は、東京市場序盤に12/20以来の高値を更新しており、また金融機関担当者が注目する200日移動平均線(昨日は111.317)を昨日上抜けたことから、一段の上昇となるのか注目されている。本日の200日線は111.328であることから、堅調な動きが続くのかどうかのポイントとなる可能性も考えられる。そして、新規材料としては、欧州市場でユーロ圏、ドイツの製造業関連の経済指標、米国ではISM製造業景況指数、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、結果に注目したい。
3/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
2月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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55.7 | 56.6 |
前回は、市場予想に反して上昇となり、12月に付けた2年ぶりの低水準から改善した。新規受注や生産が大きく改善したことが影響した。今回は、前回からの低下が予想されており、このところ製造業関連の指標の強弱まちまちの結果が続いていることから、予想以上の結果となることにも警戒したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
2月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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95.8 | 95.5 |
前回は、市場予想を下回ったものの、1月に付けた2016年10月ぶりの低水準からは改善した。政府機関の閉鎖が終了したことなどが好感されたようだ。今回は、前回から若干の上昇が予想されており、現在の景況感、先行きの景況感も引き続き改善が見られるのか注目したい。 |