前営業日トピックス
東京市場では、トランプ米大統領が中国製品に対する追加関税引き上げの延期を発表したことを受けて、米中通商協議に対する楽観的な見方が広がり、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、日経平均株価が堅調な動きとなったことも下支え要因となった。その後は、利益確定の円買い戻しが優勢となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、中国株が軒並み大幅上昇となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、投資家のリスク選好の動きが高まった流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。さらに、米経済指標が良好な結果となったことや、米国債利回りの上昇も加わり、ドル買い・円売りが優勢となった。特に、ドルやユーロ、ポンドは対円で年初来高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、朝方トランプ米大統領が対中関税引き上げを延期するとしたことや、「米中通商協議でさらなる進展があれば、習近平中国国家主席と首脳会談を計画」と発言したとの報道を受けて、ドルは堅調な動きとなった。また日経平均株価が上昇して始まったこともドル円・クロス円の下支え要因となった。一方、メイ英首相がEU離脱の期限を2ヵ月延長することを検討しているとの報道を受けて、ポンドは堅調な動きとなった。
(2)マーケットでは、対中追加関税引き上げの延期はすでに織り込み済みとの見方も多く、買い一巡後は利益確定が優勢となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米中通商協議に対する楽観的な見方を好感し、上海株が5%以上の上昇となるなど、中国株価軒並み大幅上昇となったことを受けて、投資家のリスク志向が強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米卸売在庫が2013年10月以来の高い伸びとなったことや、ダラス連銀製造業活動指数が市場予想を大きく上回る結果となったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。さらに、米国債の入札が冴えない結果となったことで、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル買い・円売りが優勢となり、クロス円も堅調な動きとなった。一方、英国のEU離脱期限の延期や国民投票の再実施の可能性が浮上したことや、3/13までに離脱協定で合意できなければ延期を検討との報道も加わり、ポンドは主要通貨に対して上昇となった。
(5)ドル、ユーロ、ポンドは対円で年初来高値を更新したものの、上昇一服後はやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
FRBは半期金融政策報告書を先週末に米議会に提出したが、これに合わせたパウエルFRB議長の議会証言が本日から行われることから、発言の内容が注目される。米経済の減速懸念や、世界的な経済の軟化を背景に、追加利上げの見通しがこれまでより不透明になったとしており、ハト派的な見方が示されたが、改めてハト派的な見解が示されるのか注目したい。また、バランスシートの縮小や、政府機関の閉鎖による成長率の低下に関する発言も注目される。そして、米国の住宅着工件数、リッチモンド連銀製造業指数、消費者信頼感指数の発表が予定されており、それぞれ注目度が高いことから、結果に注目したい。
2/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月住宅着工件数(前月比)
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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125.3万件 | 125.6万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、10月から改善した。主力の一戸建てが3ヵ月連続の減少となったものの、集合住宅が前月比20%以上の伸びとなったことが下支え要因となった。今回は、若干の低下が予想されており、低下が続く一戸建て住宅が改善するかどうかがポイントとなる。 | ||||
0:00 | 米国 |
2月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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4 | -2 |
前回は、市場予想と一致し、2016年6月以来の大きなマイナスとなった12月からはやや改善した。ただ、2ヵ月連続のマイナスとなり、改善が続くかが注目されている。市場予想では、プラス改善が予想されているが、前週発表された製造業関連の経済指標が悪化したが、昨日は改善していることから、見方がやや割れている。 | ||||
0:00 | 米国 |
2月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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124.0 | 120.2 |
前回は、予想以上の低下となり、2017年7月以来の低水準となった。政府機関の一部閉鎖が長期化したことから、消費者の景気に対する楽観的な見方が後退していることが示された。そして、現況指数は2ヵ月連続、期待指数は2016年10月以来の低水準となるなど、先行きに対する懸念が高まっていることが示された。今回は、改善が見込まれているものの、先行きのマインドを示す期待指数が改善するのか注目したい。 |