前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことや、米長期金利の低下もあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後に入り、日経平均株価がプラス圏まで上昇したことに加え、米長期金利の上昇も加わり、ドル/円・円クロス円は堅調な動きとなった。一方、雇用統計や豪州の利下げ予想が報道されたことから、豪ドルはやや乱高下となった。さらに、中国がオーストラリアからの石炭を輸入禁止にしたとの報道を受けて、豪ドルは軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が悪化したことで、米経済の減速懸念が意識され、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。また、米主要株価指数が下落したことで、クロス円も軟調な動きとなった。その中で、米国債利回りが上昇したことを受けてドルは底固い動きとなったが、全般的に狭いレンジの動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)FOMC議事録公開を受けて上昇した流れが一服し、ドルは上値の重い動きとなった。そして、日経平均株価が序盤から下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。一方、豪州の雇用統計で、雇用者数が予想を上回る結果となったことが好感され、豪ドルは堅調な動きとなった。しかし、豪州の銀行が年内2回の利下げを予想するリポートを出したとの報道を受けて、豪ドルは一転して大きく下落した。
(2)米中が通商協議決着に向け覚書作成との報道を受けて、ドルは下げ幅を縮小した。また、日経平均株価が午後に入り、プラス圏まで上昇したことや、米長期金利の上昇もあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、中国の大連港でオーストラリア産石炭の輸入を禁止したとの報道を受けて、豪ドルが再び大きく下落となり、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米耐久財受注が市場予想を下回ったことや、フィラデルフィア連銀景況指数が2016年5月以来2年9ヵ月ぶりのマイナス、その後に発表された米中古住宅販売件数が2015年11月以来3年2ヵ月ぶりの低水準、景気先行指数が3ヵ月ぶりのマイナスとなったことで、米景気の減速懸念が意識され、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。また、米主要株価指数が下落したこともあり、クロス円も軟調な動きとなった。一方、米10年債利回りが2.659%から2.695%まで上昇したことを受けてドル買い・円売りとなり、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。
本日のトピックス
朝方の報道で、本日トランプ米大統領と中国の劉鶴副首相の会談が計画と報道されており、実現するようなら協議が進展していると判断できるだろう。ここで追加関税発動の期限となる3/1の延期が発表される可能性を予想する向きもあり、動向が注目される。
また、米国で金融政策フォーラムがあり、複数の米金融当局者による討論会が予定されていることから、当局者の発言が注目される。最近ではハト派的な発言が目立っているが、年内の利上げに関する発言には引き続き敏感に反応する可能性も考えられる。また、ドラギECB総裁の発言も予定されており、こちらの発言内容にも注目したい。