前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が一時300円以上の上昇となったことが好感され、投資家のリスク志向の動きが広がり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、前日の高値を上抜けて110.77まで上昇した。その後、欧州株や米株価先物指数の上昇が、ドル円・クロス円の下支え要因となった。
米国市場では、米財務長官が米中通商協議の進展を示唆したことで、通商協議への期待感が高まり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、トランプ米大統領が米政府機関の閉鎖を回避する方針を示したことも引き続き材料視され、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。特に、ドル/円は約1ヵ月半ぶりに111円台乗せとなった。一方、スペインでの早期総選挙の可能性が高まったことが影響し、ユーロは終盤まで軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から200円超の上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ニュージーランド中銀の金融政策発表があり、金利は据え置きだったが、総裁が利下げの確率は高まっていないと明言したことで、利下げ観測が払拭されたとの見方が広がり、NZドルは上昇となった。また、この動きに豪ドルも連れ高となった。
(2)日経平均株価が上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。また、ドル/円は前日の高値110.65を上抜けて一段の上昇となった。更に、北京で再開された米中通商協議に対して楽観的な見方が広がっていることも中国株や米株価先物の押し上げ要因となり、底固い動きとなった。
(3)ムニューシン米財務長官が協議はこれまで上手くいっていると発言したことを受けて、通商協議への期待感が高まったことからドルは堅調な動きとなった。また、米消費者物価指数では、前年比ベースが市場予想を上回る結果となったものの、前月結果から低下となり、2017年6月以来の低い伸びとなったが、賃金統計で実質ベースの平均時給が2016年7月以来、週間賃金が2015年10月以来の高い伸びとなったことが好感され、ドルは主要通貨に対して上昇した。
(4)複数の米当局者が米経済に関して楽観的な見方を示したことも加わり、ドル/円は終盤に111円台乗せとなり、昨年12/27以来の高値を付けた。一方、スペイン議会で与党の2019年予算案が否決されたことを受けて、早期総選挙の可能性が高まったとの見方が広がったことを受けて、ユーロは終盤まで軟調な動きとなった。
本日のトピックス
米中通商協議やメキシコとの国境問題などが注目されているが、マーケットでは楽観的な見方が出ていることもドルの押し上げ要因になっている。米中の通商協議は本日も行われているが、USTR代表と習近平の会談が予定との報道もあり、どの程度進展するのか注目されている。一方、トランプ米大統領は政府機関の閉鎖はないと発言しているが、2/15までに超党派でまとめられた合意案が上下両院で可決され、大統領が署名する流れになるのか、別の流れになるのか注目される。
一方、スペイン議会が与党の2019年予算案を否決したことで、解散総選挙が実施される可能性が高まったと報道もある。その場合には、カタルーニャ自治州の独立派の動きが再び注目される可能性もあり、ユーロへの影響も懸念される。特に、独立派の指導者(国家反逆罪に問われている)らの公判が始まっていることから、関連する報道が注目される。
米国では、小売売上高の発表が予定されているが、米中通商協議などの注目度が高いことから、反応は限定的だろう。むしろ、通商協議に関する報道などを受けた株式市場の動きが材料視されるだろう。
2/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.1% | 0.2% |
前回は、市場予想を上回ったものの、昨年5月以来となった高い伸びから伸び幅が低下した。今回は、政府機関の閉鎖の影響で発表が遅れた分の発表となり、今回は伸び幅の縮小が予想されている。比較的好調な年末商戦が伝えられていた中、3ヵ月連続のプラスとなるのか注目。 |