前営業日トピックス
東京市場では、序盤から110円台を渡来する動きが見られたものの、110円近辺では実需のドル売り観測などもあり、上値の重い動きが続いた。また、日経平均株価が一時200円以上の下落となったことも影響した。中国などが旧正月で休場となり、新規材料に乏しい中、やや方向感に乏しい動きが続いた。英中銀の金融政策発表では、政策の現状維持が決定されてが、英国の成長率予想が下方修正されたことを受けて、ポンドは主要通貨に対して下落した。しかし、英中銀総裁が「一段の利上げもあり得るとの見通しを維持するべき」と発言したことなどが好感され、その後ポンドは安値から大きく反発した。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、クドロー米国家経済会議委員長が米中にはまだ見解の相違があると指摘したことに加え、3/1の通商交渉の期限までに米中首脳会談の可能性は低いとの報道を受けて、ドルはやや軟調な動きとなった。その後は、下落した米主要株価指数が下げ幅を縮小したこともあり、ドル/円は底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤に110台乗せとなる場面があったが、110円近辺では実需のドル売り・円買い観測も指摘されるなど売り圧力に押される動きが続いた。そして、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、注目されていたパウエルFRB議長の講演は、金融政策や景気見通しに言及しないことが事前に講演原稿で明らかとなり、発言に対する反応は限定的だった。
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(2)一時208円安まで下落した日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円クロス円は底固い動きとなったが、米長期金利が低下したことから、上値の重い動きとなった。ドル/円は、110円台乗せをトライしたものの、定着できず上値の重い動きが続いた。
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(3)米長期金利の低下が続いたことや、欧州主要株価指数、米株価先物が下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。英中銀は、金融政策の現状維持を決定したが、英国のEU離脱を巡る不確実性を背景に、今年の英国の経済成長率予想を10年ぶりの低水準に下方修正したことを受けてポンドが下落となり、ドルや円に対して約3週間ぶりの安値を付けた。
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(4)欧州市場の軟調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。しかし、クドロー米国家経済会議委員長が米中にはまだ見解の相違があると指摘したことに加え、トランプ米大統領が習近平中国国家主席と3/1の期限までに会談する可能性は低いとの報道を受けて、ドルは下落した。ただ、下落した米主要株価が下げ幅を縮小しことや、欧州の成長を巡る懸念を背景に、ユーロが対ドルで下落したことがドルの下支え要因となり、ドル/円は底固い動きとなった。一方、カーニー英中銀総裁が「一段の利上げもあり得るとの見通しを維持するべき」、「国内のファンダメンタルは健全」と発言したことから、ポンドは安値から大幅反発となった。
本日のトピックス
午前中に、豪中銀の四半期金融政策報告が発表され、2019年のGDP予想を前回(2018年11月)予想の3.25%から2.50%に下方修正した。これを受けて、豪ドルは一段の下落となった。先日、ロウ豪中銀総裁が、講演で金利見通しは一段と均衡した状態(これまで次の金利の変動は利上げ可能性との発言していた) との見方を示したこともあり、今後の経済指標の結果次第では、“次の金利の変動は利下げの可能性も”との見方が意識されることも考えられ、豪ドルは上値の重い動きが続く展開も考えられる。
米国では主要な経済指標の発表がなく、週末で一般教書演説などのイベントが終了したこともあり、やや限定的な動きが予想される。そのため、株価や金利の動きが中心材料となるだろう。ただ、来週には再び予算問題(16日から再び政府機関の閉鎖となるか思惑が交錯している)などがクローズアップされることから、関連する要人発言には注意したい。