前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、中国の製造業購買担当者景気指数が予想を下回ったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は値を戻したものの、米雇用統計の結果発表を控えて様子見ムードが出ており、限定的な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で、非農業部門雇用者数が市場予想に反して大幅な伸びとなったものの、速報値が大きく下方修正されたことや、失業率が7ヵ月ぶりに4%台に悪化したことから、やや上値は限定的となった。ただ、その後に発表された、ISM製造業景況指数、ミシガン大消費者信頼感指数が共に市場予想を上回る結果となったことが好感され、ドルは大半の主要通貨に対して上昇した。また、ダウ平均株価が底固い動きとなったことも加わり、クロス円も底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇して始まったことを材料に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後に株価が下落に転じ、マイナス圏まで下落したことや、中国の製造業指数が予想を下回り、2016年2月以来の低水準となったことも圧迫要因となった。
(2)中国と米国はバランスが取れた貿易の促進を図るなど、米中の貿易協議が進展しているとの報道を受けて、米中貿易摩擦への警戒感が和らぎドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まり、限定的な動きが続いた。米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想に反して大幅な伸びとなったことを受けてドル買いに反応したが、前月結果が大きく下方修正されたことや、失業率が7ヵ月ぶりに4%台に悪化したことから、限定的な動きとなった。ただ、政府機関の閉鎖に伴う影響は限定的との見方や、セントルイス連銀総裁が「政策方針は、非常に良好な2年間となるための基盤を整えた」と述べたこともあり、底固い動きとなった。
(4)その後に発表された、ISM製造業景況指数、ミシガン大消費者信頼感指数がともに市場予想を上回る結果となったことが好感され、ドルは大半の主要通貨に対して上昇した。また、米長期金利の上昇でドル買い・円売りとなったことや、ダウ平均株価が底固い動きとなったことも加わり、クロス円も底固い動きとなった。ダラス連銀総裁が「利上げ休止は間違いなく正しい行動だ」との見方を示したことも影響し、ドルは終盤にかけて上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
先週末の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想に反して+30.4万人と市場予想の+16.5万人を大きく上回る結果となったが、前回結果が+31.2万人から+22.2万人に下方修正されたことで、実質的な伸びは20万人台前半となる。ただ、3ヵ月平均が+24.1万人(前月+23.2万人)となったことが下支え要因となった。一方、失業率が4%に悪化したが、政府機関閉鎖の影響が出ることが予想されていたことから、想定済みだった(一時帰休に伴う失業者数が17.5万人、大半が連邦職員)と言える。雇用統計がまちまちの結果だったことから、改めて材料にはしにくいだろう。そして、トランプ大統領が明日の一般教書演説で国境問題に関して国家非常事態を宣言する可能性があるとしたことから、マーケットの注目が集まっており、様子見ムードが強まる可能性が考えられる。
米国市場では、耐久財受注の発表が予定されているが、確報値であることから、マーケットへの反応は限定的と考えられる。そのため、米国の金利や株価の動きに反応する可能性があり、注目したい。