前営業日トピックス
東京市場では、序盤やや軟調な動きとなったものの、日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大したことに加え、実需のドル買い観測も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、アジア株や欧州株が堅調な動きとなったことも材料視された。
米国市場では、1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を大きく下回る結果となったことを受けて、ドルは上値の重い動きとなった。しかし、中国が米国との貿易不均衡解消に向けた道筋を示したとの報道を受けて、米主要株価指数が上げ幅を拡大し、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。その後、ドルは米長期金利の上昇などもあり、主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米財務長官が対中貿易関税の引き下げを提案しているとの米紙報道を受けて、ドル円・クロス円が急上昇したものの、その後米財務省が報道を否定したことで、上値の重い動きとなっており、この流れを受けて、東京市場序盤はやや軟調な動きとなった。
(2)実質的な五・十日に当たり、実需のドル買い観測から仲値公示にかけてドル買い・円売りが優勢となった。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比279円まで上昇したことに加え、アジア株や欧州主要株価指数の上昇も好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、メイ首相が2回目の国民投票を支持しない方針を表明したことなどが材料視され、ポンドは軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、米鉱工業生産は市場予想を上回ったものの、その後に発表された1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を大きく下回る結果となったことを受けて、ドルは上値の重い動きとなった。
(4)中国が2024年までに対米貿易黒字をゼロにすることを目指し、米国からの輸入を拡大する6ヵ年計画を今月上旬の米中通商協議で提示した関係者の発言が報道されたことを受けて、米中通商協議が進展するとの期待感が強まり、株価上げ幅を拡大し、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。
本日のトピックス
先週は、米中通商協議の進展期待が高まったとの見方からドルは一段の上昇となった。背景には、ムニューシン財務長官が対中関税の一部または全部を撤廃することを提案したとの報道や、中国の副首相が通商協議のために1/30-31に米国を訪問すると発表したこと、また中国が対米貿易黒字の削減を目指しているなど、米中の通商協議が進展するとの期待感が高まったことが要因と考えられる。
本日は、週明けで米国市場がキング牧師の記念日のため休場となる。一旦調整の動きとなるとの見方もあるが、大きな流れに変化がないことから、下値は限定的だろう。ただ、これまでに関連する要人発言や報道で流れが変わるケースが度々あったことから、一応注意しておきたい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、上値の重要なポイントとされていた一目均衡表の基準線(109.319)を上抜けて一段の上昇となっている。次のポイントはレジスタンスの109.97と考えられる。そして、オシレーターのMACDでは、両線がクロスして上向きとなり、両線の乖離幅も拡大中であることから、堅調な動きが続く可能性も考えられる。
ただ、相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線(本日109.319)は、1/9から横ばいが続いているが、1/22から8日連続で低下となり、1/30には108.170まで低下する。現在、価格が基準線を上回っていることから、大きな影響はないと予測されるが、拡大図のように一旦上抜けた基準線を再び下抜け、その後基準線の低下に合わせて下振れとなる可能性には注意したい。
基準線は、本日が109.319、1/22が109.303、1/23が109.225、1/24が108.893、1/25が108.798となり、目先の重要な下値のポイントとなると考えられることから注目したい。