前営業日トピックス
東京市場では、海外市場終盤の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。そして、日経平均株価が下落に転じて下げ幅を拡大したことや、実需筋のドル売り観測もあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。欧州市場では、米株価先物が堅調な動きとなったことや、米長期債利回りの上昇が続いたこともドル円・クロス円を押し上げた。
米国市場では、米主要株価指数が上昇したことや、米国債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、終盤に109円台乗せとなったことで買いが加速した。一方、英下院がメイ政権への不信任案を否決したことが好感され、ポンドも終盤に上昇が加速し、ポンド/円は年初来高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)小幅高で寄り付いた日経平均株価がマイナス圏へ下落し、前日比230円以上の下落となったことや、輸出企業によるドル売り・円買いも観測されたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)新規材料に乏しい中、日経平均株価が94円安まで下げ幅を縮小したことを受けて、底固い動きとなった。その後、米株価先物が堅調な動きとなったことや、米長期金利の上昇が続いたことも好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米政府機関の閉鎖の長期化懸念などのリスク要因が燻っているものの、序盤に発表された米経済指標が市場予想より改善したことや、良好な米企業決算を背景に米主要株価指数が上昇したことを受けて投資家心理が和らぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。
(4)ドル/円は、109円台を前にして上値の重い動きが続いたものの、109円台乗せとなったことストップも巻き込んで109.20まで上昇した。一方、英下院がメイ政権への不信任案を反対325、賛成306で否決したことが好感され、ポンドも終盤に上昇が加速となり、ポンド/円は年初来高値を更新した。
本日のトピックス
英国での連日の採決が終了し、引き続き英国のEU離脱問題に関する懸念は払拭できていないものの、EUや国内各政党との離脱交渉延長に道が開かれたことや、離脱手続きを定めるリスボン条約50条の適用延長の可能性も出てきたことで、今後の展開を見極めたいとの思惑が強まり、やや一服感が出るだろう。
昨晩の米国市場では、ポンド/円が年初来高値、ドル/円が1/2以来の高値を付けたが、この水準を維持できるか注目される。ドル円は、1/3の大幅下落後は109円台で上値の重い動きが続いており、この水準を維持できれば一段の上昇も期待されるが、上値の重い動きとなるようなら、前回の動きが連想される可能性も考えられる。
そして、米政府機関の閉鎖の長期化懸念などのリスク要因が燻っているものの、良好な企業決算が続き、株価が下支えられるのか注目される。また、フィラデルフィア連銀景況指数の発表が予定されており、こちらの結果も注目される。1/15に発表されたニューヨーク連銀製造業景気指数が予想外の悪化となったことで、引き続き米国の製造業の鈍化が示される結果となった。今回の市場予想では改善が予想されているものの、ここまで3ヵ月連続で市場予想を下回る結果が続いており、NY連銀指数の結果に追随する可能性もあり、結果が注目される。悪化となる場合には、ドル相場にも影響するだろう。
1/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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125.0万件 | 125.6万件 |
前回は、市場予想を上回り、3ヵ月ぶりの高水準まで改善した。一戸建て住宅は3ヵ月連続の減少となったものの、集合住宅が22%の増加となったことが影響した。今回は、前回から若干の減少が予想されており、特に減少が続く主力の一戸建ての件数に注目したい。 | ||||
22:30 | 米国 |
1月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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10.0 | 9.1 |
前回は、市場予想を大きく下回り、2016年8月以来の低水準に落ち込んだ。新規受注や雇用が改善したものの、出荷や在庫の低迷が影響した。今回は、若干の改善が予想されているが、先に発表されたNY連銀指数が予想外の低下となり、製造業の鈍化が示される結果が続いたこともあり、こちらの結果も注目される。予想外の悪化となる場合には、ドルの圧迫要因となるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、104円台から値を戻す動きが続いているが、やや109円台で上値の重い動きが見られる。ここから109円台で値固めして一段の上昇となるのか、再び上昇に向けての助走を付けるために反落となるのか注目したい。
目先の上値のポイントは、一目均衡表の基準線と考えられ、ここを上抜ければ一段の上昇が期待できる。現在、基準線は109.319に位置しているが、週明け1/21から横ばいから下落に転じ、1/29(108.170)まで下落が続く。基準線は、相場の方向性を示すとされることから、これに合わせてドルが下落するのか、このタイミングで上抜けとなるのか注目したい。
なお、オシレーターのMACDでは両線がクロスして乖離幅も拡大傾向にあることから、大きな下落とならなければ(下値ライン近辺まで)、中期的には堅調な動きとの予測は変わらないだろう。