前営業日トピックス
東京市場が休場となり新規材料に乏しい中、中国の経済指標が冴えない結果となったことから、世界経済にも影響するとの懸念もあり、リスク回避の円買いが優勢となった。さらに、アジア株の下落や、欧州主要株価指数の下落も影響した。
米国市場では、トランプ米大統領が中国との通商協議は合意に達するだろうと発言したことを受けて、米中通商協議の進展期待を背景に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、トランプン米大統領が、上院議員からの米政府機関の再開の提案を断ったとの報道を受けて、政府機関の一部閉鎖が長期化するとの懸念から、ドルは上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が祝日で休場となり、序盤から小動きの展開となった。その後、中国の貿易収支で、輸出入がともに市場予想を下回る結果となったことから、中国経済への懸念が高まり、円を買う動きが優勢となった。また、中国株や欧州株の下落も影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)米国市場では、トランプ米大統領が「中国との通商協議は合意に達するだろう」と発言したことを受けて、米中貿易摩擦解消が進展するとの期待感から堅調な動きとなった。一方、英保守党の離脱強硬派がメイ首相支持に回るとの報道を受けて、ポンド買いが優勢となった。
(3)グラム米上院議員がトランプ米大統領に政府機関の再開呼び掛けたが、大統領はこの提案を断ったことが明らかとなり、ドルは再び上値の重い動きとなった。一方、メイ首相の協定案に離脱強硬派が反対すると報じられたことから一転してポンドが下落するなど、ポンドは思惑が交錯し、やや荒い値動きとなった。
本日のトピックス
英国では、英議会によるEU離脱案の採決が実施されるが、投票結果に対する思惑や報道が交錯しており、ポンド相場もやや乱高下となる場面が見られる。そのため、投票の結果(1/16日本時間午前)が出るまでは、引き続き値動きの荒い展開が続く可能性があり、注意したい。 米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。特に、製造業関連の指標の悪化が続いていることから、悪化が続くのか、歯止めがかかるのか注目したい。悪化が続くようなら、米経済の先行きに見通しに影響する可能性もあるだろう。また、米予算に関連する報道や要人発言にも敏感になっていることから、こちらにも注目したい。
1/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
1月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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10.0 | 10.9 |
前回は、市場予想を大きく下回る結果となり、2017年5月以来の低水準となった。今回は、小幅悪化が予想されており、製造業関連の経済指標の悪化が続くのか、歯止めの兆しがみられるのか注目したい。予想以上の低下となるようなら、更なる製造業の鈍化が意識される可能性も考えられる。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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-0.1 | 0.1% |
前回は、市場予想を上回ったものの、2012年以来の大幅な伸びとなった10月からは伸び幅が大きく低下した。エネルギーが大きくマイナスとなったことが影響した。今回は、8月以来のマイナスが予想されており、12月には原油価格が12ドル以上下落したことが影響する可能性も考えられ、一部では予想以上のマイナスとなるとの見方もある。 |