前営業日トピックス
東京市場では、堅調な展開で始まった日経平均株価が仲値公示後に上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。しかし、午後に入ると株価が上げ幅を拡大し、ドル/円は109.09まで上昇し、急落直前の水準まで値を戻した。しかし、109円台では売り圧力も強く、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、トランプ米大統領が米中通商協議に関して非常に順調と述べたことが好感され、ドルは序盤か堅調な動きとなった。しかし、300ドル以上上昇していたダウ平均株価が上げ幅を大きく縮小するなど、主要株価指数が軒並み下落に転じたことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、終盤にかけては主要株価指数が再び上昇したことから、ドル円・クロス円も値を戻した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国の株高を受けて投資家の積極姿勢が見られ、比較的安全な資産とされる円を売る動きが先行した。また、株価が堅調な動きとなったものの、米中通商問題への警戒感も根強いことからやや上値は限定的となった。その後、日経平均株価が上げ幅を縮小したことを受けてドル円・クロス円も失速した。
(2)午後に入り、株価が上げ幅を拡大し、一時前日比300円超の上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、1/3の急落前の高値を上回り、一時109台を回復した。
(3)109円台回復も、この近辺では売り圧力が強いこともあり、上値の重い動きが続いた。一方、ドイツの鉱工業生産が市場予想を下回ったことや、ユーロ圏景況感指数が12ヵ月連続で低下したことを受けて、欧州の景気減速懸念が意識され、ユーロも軟調な動きとなった。
(4)トランプ米大統領が北京で開催されている米中通商協議に関して、非常に順調と述べたことなどが好感され、米国市場の序盤はドル買いが先行した。また、中国との貿易上で関連の深い豪ドルも堅調な動きとなった。また、ダウ平均株価が前日比300ドル以上の上昇となったことも、ドル円・クロス円の下支え要因となった。
(5)米主要株価指数が軒並み上げ幅を縮小したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、下げ一服後は株価が再び上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円も株価に合わせて堅調な動きとなった。
本日のトピックス
北京で開催されている米中次官級の通商協議は、1/7から2日間の日程で行われていたが、1/9も続行すると発表され、交渉は3日目に入る。なお、協議終了後には声明が発表されると発表されていることから、結果が注目される。
また、本日から英国議会で審議が実施され、メイ首相がEUと合意したEU離脱案に関する審議が行なわれる。英政府は、1/15に議会採決を提案しているが、調査会社の調査では、賛成は4割程度との結果が出されている。また、直近の世論調査では、英国のEU離脱交渉でメイ首相が妥当な合意をまとめたとする回答は18%、そう思わないとの回答が59%と発表されており、先行きの読めない状況である。そのため、関連する報道や要人発言に敏感に反応する可能性が考えられることから、注意したい。
米国では、すでに一部の政府機関が閉鎖されてからは3週目に入っており、さらに長引くようなら影響が拡大する可能性も懸念されている。トランプ米大統領は、1/10にメキシコ国境を訪問する予定となっており、議会の承認なしでメキシコ国境の壁建設を宣言する可能性を示唆していることもあり、動向が注目されている。なお、12月分のFOMC議事録が公表予定となっており、こちらの内容にも注目したい。