前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤から上値の重い動きとなった。日経平均株価が大きく上昇したものの、利益確定の動きが先行したことや、年末の駆け込み的な輸出企業のドル売り観測もあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。下げ一巡後は、値を戻したものの、トランプ大統領がファーウェイなどの通信機器の利用を禁止する大統領令を検討しているとの報道を受けて、ドル円・クロス円は再び上値の重い動きとなった。
米国市場では、米主要株価が下落したことや、12月の米消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことも加わり、ドルは主要通貨に対して下落した。しかし、終盤には大幅下落となっていた米主要株価が軒並み上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場で主要株価が大幅上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円も大きく上昇した流れが一服し、序盤から上値の重い動きとなった。そして、米国の株高を受けて日経平均株価も大幅上昇となったものの、短期筋による利益確定の動きが先行しているとの観測から、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(2)海外市場で111.41まで上昇したドル円が111円台割れとなったことで、値頃感の買い戻しが優勢となった。しかし、トランプ大統領が米企業によるファーウェイとZTEの通信機器の利用を禁止する大統領令を検討しているという報道を受けて、米中関係に対する懸念が再燃し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米中関係に対する懸念を材料に株価が下落したことや、12月の米消費者信頼感指数が市場予想を下回り、7月以来の低水準となったことも加わり、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル円は、110.60近辺のストップロスも巻き込み、一時110.46まで下落する場面もあった。
(4)米国債の利回り曲線がスティープ化するにつれ、ドルは下げ幅を縮小したことや、前日比611ドル安まで下落していたダウ平均株価が、安値から870ドル以上上昇するなど、主要株価が軒並み上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
日本市場では、取引最終日となることから、株式市場などで駆け込み的なポジション調整も考えられる。最近の為替市場では、株価に左右される展開が続いていることから、引き続き内外の株価の動きが注目される。
米国市場では、製造業関連や住宅関連の経済指標の発表が予定されているが、特に最近の製造業関連指標の大幅悪化が続いていることから、シカゴ購買部協会景気指数の結果には注目したい。材料に乏しく、市場参加者が少ないことから、指標結果を受けて予想以上に敏感に反応する可能性も考えられることから注意したい。
12/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:45 | 米国 |
12月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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60.3 | 66.4 |
前回は、市場予想に反して大幅上昇となり、昨年12月以来の高水準となった。今回は、前回の反動から大幅な低下が予想されているが、最近の製造業関連の経済指標の大幅悪化が続いていることから、一部では予想以上の低下を予想する向きもある。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月中古住宅販売成約(前年比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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- | -4.6% |
前回は、市場予想を下回る低下となり、2月以来の大きな低下となった。前年比ベースでは、6ヵ月連続でマイナス、前月比でも今年10回中6回のマイナスとなっており、住宅市場の減速が示されている。今回は、前月比で改善が予想されているが、予想通りの改善となるのか注目したい。 |