前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が軟調な展開で始まり、下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、新規材料に乏しく、やや限定的な動きが続いたが、欧米の株価先物指数が下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、中国やユーロ圏の経済指標の悪化に加え、米国の製造業・サービス業指数が鈍化したことを受けて世界経済の先行き懸念が高まり、それを受けて米主要株価が大幅下落となったことで、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調となった。米株式市場では、ダウ平均株価が一時563ドル安まで下落するなど、ナスダックと共に2%以上の下落となった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国市場の流れが一服しており、序盤は小動きの展開で始まった。発表された日銀短観には反応は限定的だったが、日経平均株価が下落して始まり、前日比460円以上の下落となったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、中国の小売売上高、鉱工業生産が予想を下回ったことも影響し、特に豪ドルは下げ幅を拡大した。
(2)週末で新規材料に乏しい中、ECB理事会後の会見でドラギ総裁がリスクのバランスは下向きに傾きつつあると発言するなど、ハト派的な見方を示したことが材料視され、ユーロは軟調な動きとなった。また、先物市場で欧米の株価指数が下落したことも影響し、クロス円は軟調な動きとなった。一方、ポンドやユーロが対ドルで下落したことから、ドルは円に対しても底固い動きとなった。
(3)ドイツやユーロ圏の経済指標が鈍化したことから、ユーロ圏経済に対する懸念が広がり、ユーロは軟調な動きとなった。米国市場では、米小売売上高が予想ほど低下しなかったことに加えて、米長期金利の上昇もあり、ドルは堅調な動きとなった。
(4)その後に発表された米国の製造業、サービス業関連の経済指標が鈍化したことで、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、中国やユーロ圏の指標悪化していたことから、世界経済の先行き懸念が意識され、米主要株価が大幅下落となったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
週明けで新規材料に乏しいことや、FOMCや日銀の金融政策発表を控えていることもあり、やや限定的な動きも考えられる。ただ、米中の通商問題や欧州の諸問題に関する報道や要人発言があるようだと敏感に反応する可能性もあるだろう。また、このところ欧米など主要国の経済指標の悪化を受けて、世界景気の減速懸念が意識されており、これに株価が敏感に反応していることから、内外の株価動向にも注目したい。
12/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
12月ニューヨーク連銀製造業景気指数 ![]()
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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20.0 | 23.3 |
前回は、市場予想を上回り、3ヵ月ぶりの高水準に上昇した。雇用者数は上昇したものの、販売価格や新規受注は低下となった。今回は、前回からの低下が予想されており、6ヵ月平均が22.8であることから、予想通りの結果となった場合に減速懸念が出る場合にはドルにも影響するだろう。 |
本日のトレードポイント

気まぐれ投資コラム
ドルの買い越しは、前週の2年ぶりの高水準から減少
CFTC(米商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の投機部門の取組(12月11日までの週)では、ドルの主要6通貨に対する買い越し額は前週から減少しました。米中通商問題や米経済の減速懸念を背景に、FRB当局者がハト派的な姿勢を示したことで、来年の利上げペースが鈍化するとの見方が広がっていることが影響したと考えられます。
円は売り越し97606枚(前週-109766)、ユーロの売り越しは56287枚(60776枚)、ポンドの売り越しは42419枚(39750枚)、豪ドルの売り越しは45531枚(50755枚)、スイスフランの売り越しは18267枚(19795枚)

※出所:データを基にSBILMが作成

※出所:データを基にSBILMが作成