前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。そして、日経平均株価が上昇して始まったものの、徐々に上げ幅を縮小したことや、上昇していた香港・中国株がマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果が続いたこともあり、ドルは上値の重い動きが続いた。ただ、トランプ米大統領の発言や、米中の通商問題に関する報道を受けて、米中の協議が進展するとの期待が膨らみ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、FOMC議事録が公表されたものの、週末のG20首脳会合に市場の注目が移っており、反応は限定的となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場でのパウエルFRB議長の発言を受けて、米国の利上げペースの鈍化観測を背景にドル売りとなった流れが一服し、序盤のドル/円は底固い動きとなった。一方、株価が大幅上昇となったことを受けて堅調な動きが続いたクロス円は、上値の重い動きとなった。
(2)仲値公示通過後は、上昇して始まった日経平均株価が伸び悩み、上げ幅を徐々に縮小したことや、香港・中国株がマイナス圏に下落したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)FOMC議事録公開や、週末の米中首脳会談を控えて様子見ムードが出ており、やや限定的な動きとなった。ただ、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(4)序盤に発表された米個人消費支出(PCE)物価指数や、中古住宅販売仮契約が市場予想を下回ったことを受けて、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。しかし、トランプ米大統領が、中国と何かする状況にあると発言したことや、条件次第で米国の追加関税賦課を来春まで保留するという内容の合意を模索しているとの報道を受けて、通商協議への進展期待が膨らみ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、FOMC議事録を受けて若干動きが出たものの、マーケットの注目はG20首脳会合に移っており、特段材料視されなかった。
本日のトピックス
ブエノスアイレスで開かれる主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議後に、米中首脳会談が開催される予定であり、対話を通じて米中の通商問題の解決に向けた道筋がつけられるとの報道もあるが、依然として意見の隔たりもあり、会談により進展がみられるのかは懐疑的との見方もある。そして、対中強硬派として知られているナバロ大統領補佐官が、両首脳の夕食会(首脳会談)に出席すると報じられたこともあり、マーケットでの慎重姿勢も強まっている。会談は首脳会議後(12/1予定)とされていることから、週明けの動きには要注意。
本日は、G20首脳会議、その後の米中首脳会談を控えて様子見ムードが強まっており、各市場の株価や金利市場の動きが大きくならなければ、為替市場も限定的な動きが予想される。
11/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:45 | 米国 |
11月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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58.5 | 58.4 |
前回は、市場予想を下回り、4月以来の低水準となった。また、ここまで3ヵ月連続の低下が続いており、製造業は好調からの鈍化が続いていることが示された。今回は、前回から若干の上昇が予想されているものの、今年の平均値の61.7を下回る。そして、今年の最低が57.4であることから、これに迫る、または下回る結果となる場合には、ドル相場への影響も大きくなるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
今週、ドル/円は114.03まで上昇し、11/14以来の114円台乗せとなった。ただ、最近は114円台で上値の重い動きが続いていたこともあり、114円台の大台乗せの達成感や、114.54と114.20を結んだトレンドラインが114.07に位置していたことも意識され、下げに転じている。ここから上限となっているトレンドラインを7波動目で上抜けて一段の上昇となるのか、下限ライン近辺までの調整となるのか注目したい。
上値のポイントは、上限のトレンドラインであり、本日が114.048で来週末には113.987まで低下する(3日に114.036、4日に114.024、5日に114.012、6日に114.000)。ここを上抜ける場合には、114.54が上値のポイントとなり、上値目標の計算値である114.93を目指す展開も考えられる。
下値のポイントは、一目均衡表の基準線となるが、本日までは112.792で横ばいが続いており、週明け3日には112.990、4日に113.253まで上昇することから、基準線を下回る場合には、下げが加速する可能性も。そして、重要な下値のポイントである一目均衡表の雲や、直近ボトムの112.30を下回る場合には、一段の下げとなる可能性も考えられる。
そして、オシレーターのMACDでは、両線が上向きクロス(赤色ラインが上側に位置する)しており、ここからさらに乖離幅が拡大するようなら上向き優勢となる。再び下向きクロス(青色のラインが上側に位置する)となる場合には下向きが優勢となることから、両線の動き、乖離幅にも注目したい。