前営業日トピックス
先週末の海外市場の堅調な流れが一服し、全体的に小動きの展開で始まった。そして、日経平均株価が大きく下落したものの、米中間選挙を控えた不透明感から様子見ムードが強まっており、限定的な動きが続いた。また、米長期金利が上昇したことから、ドルは円などの主要通貨に対して上昇したものの、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米中間選挙、FOMCを控えて様子見ムードが強まっており、ドルは限定的な動きが続いた。一方、欧州委員会の委員がイタリアに制裁を科すとの報道を否定したことから、ユーロは堅調な動きとなった。また、ダウ平均株価が堅調な動きが続いたことなどもあり、クロス円は比較的堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)10月の米雇用統計で注目された前年比の平均賃金が、2009年4月以来9年半ぶりの高い伸びとなったことを受けてドル買いとなった流れが一服し、やや上値の重い動きとなった。そして、日経平均株価が下落して始まったものの、五・十日で実需のドル買いも意識され、仲値公示にかけて底固い動きとなった。
(2)日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなったが、習近平国家主席が中国は輸入関税を一段と引き下げるとし、中国経済は安定しており順調と述べたことを受けて、円が売られる場面もあった。しかし、上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場にかけて、欧州主要株価や、米株価先物指数が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、米市場では、米国債利回りの低下に加え、イラン制裁再開を受けたエネルギー価格の上昇がドル円・クロス円を圧迫した。ただ、米中間選挙、FOMCを控えて様子見ムードが強く、下値は限定的となった。
(4)米主要株価が堅調な動きが続いたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。一方、欧州委員会の経済・財務・税制担当委員がイタリアに制裁を科すとの報道を否定したことからユーロ買いが優勢となり、ドルや円に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
日本時間の今晩から米中間選挙の投票が始まり、翌正午頃には大勢判明する予定である。米中間選挙では、早くから上院を共和党、下院を民主党が制するとの世論調査の結果となっていたが、このところの調査では、下院で民主党と共和党の差が縮小しており、やや不透明な状況となっている。そして、2016年の米大統領選の時も世論調査と実際の結果が乖離する結果となったこともあり、マーケットでは世論調査の結果にはあまり重きを置かないとの見方もある。結果判明までは、前日同様に様子見ムードから限定的な動きが続く可能性が考えられる。ただ、選挙に関する報道や要人発言に敏感に反応する可能性も考えられることから、注意したい。
11/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
0:00 | 米国 |
9月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
|
712.5万件 | 713.6万件 |
前回は、市場予想を上回り、過去最高を更新した。条件に合う働き手の確保が企業にとってさらに 難しくなっていることが示された。求人率、採用数はいずれも統計開始以来最高となった。今回は、若干の低下が予想されているが、ここまで8ヵ月連続で市場予想を上回る結果が続いていることや、低下ししても依然高水準を維持することから、反応は限定的だろう。良好な結果が確認できればドルの下支え要因となる可能性も。 |
気まぐれ投資コラム
IMM通貨先物でのドルの買い越しが小幅増加
CFTC(米商品先物取引委員会)のデータによると、IMM通貨先物の投機部門の取組では、ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する買い越し額が267億4000万ドル(261億6000万ドル)と、前週から小幅増加しました。ドルの買い越しは20週連続となっています。また、NZドル、メキシコペソ、ブラジルレアル、ロシアルーブルを含めた主要10通貨では、ドルの買い越し額が282億5000万ドル(前週は271億4000万ドル)でした。
円の売り越しは91620枚(前週92804枚)、ユーロの売り越しは32662枚(30304枚)、ポンドの売り越しは52482枚(46997枚)、豪ドルの売り越しは70412枚(70368枚)、NYドルの売り越しは35031枚(33048枚)となりました。
※出所:FX総合分析チャート
※出所:データを基にSBILMが作成