前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことに連れてドル買い・円売りが先行した。また、スポ末(スポット取引の決済が月末となる月末応答日)であり、実需のドル買い・円売りも下支え要因となった。ただ、一時280円以上上昇していた日経平均株価がマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。その後、欧州や米国の主要株価が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、ドイツの州議会選挙で連立与党の大敗が続いたことから、メルケル首相が党首選で再選を目指さない意向を表明したことから、ドイツの政局不安が広がり、ユーロは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。その後、米国が追加の対中関税賦課を計画しているとの報道を受けて、米中貿易摩擦への懸念が強まったことから、円買いが強まり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な展開で始まり、一時280円以上の上昇となったことが好感され、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。また、取引の決済が月末となる月末応答日であるため、月末の実需のドル買いフローも下支え要因となった。一方、10/28のドイツの州議会選挙でメルケル首相率いるキリスト教民主同盟が議席を大きく減らす見通しとなったことから、ユーロは対ドルでギャップダウンとなり、対円でもやや上値の重い動きとなった。
(2)日経平均株価がマイナス圏に落ち込み、結局小幅安で終了したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。また、新規材料に乏しかったことも影響し、全般的に小幅のレンジ内の動きとなった。一方、メキシコで行われた国民への意見調査で、メキシコシティ国際空港の代替施設となる新空港の建設中止を求める票が多数を占めたことが手掛かりとなり、メキシコペソが急落。対ドルで7/3以来、対円で9/5以来の安値を付けた。
(3)欧州主要株価が序盤から堅調な動きとなったことを受けて、投資家のリスク志向の動きが強まり、ドル円クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米主要株価が序盤から堅調な動きとなったことから、引き続きドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、ドイツのメルケル首相が州議会選連敗の責任を取り、12月の保守与党の党首選に出馬しない考えを表明したことで、ドイツ政治の先行き不透明感が広がり、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。そして、米政権が中国からの全輸入品に追加関税を課す準備をしているとの報道を受けて、米中貿易摩擦への懸念が広がったことから円買い戻しが強まり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
本日のトピックス
英国のEU離脱交渉、イタリアの政治リスク、ドイツの政局不安などの要因があり、ポンドやユーロは上値の重い動きが続いており、今後の情勢により下振れリスクも懸念されている。また、米国の中間選挙を控えており、ドルも積極的に買い難い状況であることから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
そして、今週から欧州市場が冬時間に入っていることから、東京市場の引け後から欧州市場の入りまでが空白の時間となり、注意したい時間帯となる。
米国市場では、10月の消費者信頼感指数の発表が予定されており、株価の大幅下落を受けて、消費者のマインドが低下している可能性もあり、一部では予想以上の低下となるとの指摘も出ている。特に、現況指数の結果に注目したい。
10/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
10月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
|
136.0 | 138.4 |
前回は、予想外の上昇となり、18年ぶりの高水準となった。現況指数、期待指数が改善したことが影響した。今回は、前回からの反動もあり、若干の低下が予想されている。ただ、10月は米主要株価が大幅下落となるなど投資家のリスク回避の動きが強まったことから、予想以上の低下となる可能性も考えられる。 |