前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は堅調な展開で始まった。序盤に、米国の為替報告で、中国の為替操作国認定が見送られたことが下支え要因となった。しかし、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、中国株価が年初来高値を更新したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、欧州主要株価が上昇して始まったことから、一時堅調な動きが見られたものの、イタリアの予算案を巡りイタリアとEUの対立が懸念され、上値の重い動きとなった。
米国市場では、米中貿易摩擦や米国とサウジの緊張が高まることへの警戒感を背景に、リスク回避の動きが強まり、相対的に安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。また、米主要株価が大きく下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)朝方、米財務省発表の為替報告書で、中国の為替操作国認定が見送られたことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、最近の人民元安に懸念を示し、監視するだろうとしたことから上値の重い動きとなった。その後、下落した日経平均株価がプラス圏まで反発したことから、ドル円・クロス円は上昇した。
(2)日経平均株価が下げ幅を拡大したことに加え、中国の上海総合指数が年初来安値を更新したことも圧迫材料となり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。しかし、欧州主要株価が上昇して始まったことを受けて、欧州勢のユーロ買いが優勢となり、ドル/円も連れ高となった。
(3)イタリアの予算案を巡り、欧州委員会がEUの財政規律への重大違反が見られると指摘したことを受けて、ユーロ売りが優勢となった。その後、米経済指標がまずまずの結果となったことが好感され、序盤ドルは堅調な動きとなった。
(4)人民元が対ドルで2017年1月以来の安値を更新したことから、米中貿易摩擦が深刻化するとの懸念や、米財務長官がサウジアラビアで開かれる投資関連の会合への参加を見送ると表明したことで、米国とサウジの緊張が高まることへの警戒感が広がったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、相対的に安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。さらに、米主要株価が大きく下落したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
米中貿易摩擦や米国とサウジの緊張を背景に、再びリスク回避の動きが強まり、また欧米の主要株価が再び下落となったことが影響し、日経平均株価も序盤から軟調な動きとなっている。ただ、米国市場で円買いが進んだことから、ドル円・クロス円は東京市場では底固い動きが続いている。ただ、中国の第3・四半期GDP結果で中国の景気減速懸念(米中貿易戦争の影響)が広がる場合には、人民元、アジア通貨に加え、中国と貿易上の関連が深いことから、豪ドルにも影響が出る可能性が考えられる。また、年初の高値から1000ポイント下落している上海総合指数など、中国株がさらなる下落となる場合には、再び世界的な株価下落に波及するとの指摘もあり、注意したい。そして、海外市場で引き続き株価下落となるようなら、リスク回避の動きが強まる可能性も考えられる。
米国市場では、中古住宅販売件数の発表が予定されており、ハリケーンの影響が加味されて減少が予想されている。ただ、予想以上の減少となる場合には、ドル相場にも影響する可能性もあるだろう。
10/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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529万件 | 534万件 |
前回は、市場予想を下回ったが、7月から変わらずとなった。それまで4ヵ月連続の低下が続いていたが、やや一服となった。ただ、住宅市場の先行きは依然として不透明である。今回は、一段の低下が予想されており、予想通りなら2016年2月以来の低水準となる。また、9月に上陸したハリケーンの影響が大きければ、予想を上回る低下となる可能性もあるだろう。 |