前営業日トピックス
東京市場では、米国を中心とした世界的な株価の大幅下落を受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ただ、海外市場ですでに下落していたことや、マーケットでは円高は一時的との見方も多かったことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、ドルは上値の重い動きとなった。また、米国の利上げ期待の後退観測を背景に長期金利が低下したこともドルの圧迫要因となった。さらに、米主要株価が前日に続き下げ幅を拡大したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は軟調な展開で始まった。米国を中心とした世界的な株価急落を受けて、投資家のリスク回避の動きから相対的に安全な資産とされる円を買ってドルを売る動きが先行した。また、日経平均株価が大きく下落したことも影響し、海外市場ですでに下落していたこともあり、底固い動きも見られた。
(2)株価が下げ幅を拡大したことや、時間外取引で米長期債利回りが低下したこともあり、ドル/円は一時112円台割れとなり、9/18以来の安値を付けた。その後、先物が売られたことが影響し、日経平均株価が前日比1000円を上回る下げとなったものの、ドル円・クロス円の反応はやや限定的となった。
(3)米消費者物価指数が市場予想を下回る結果となったことを受けて、米長期金利が低下したことからドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、長期金利の低下を背景に、米主要株価がマイナス圏から一時プラス圏に反発したことから、円が売られ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなる場面もあった。
(4)米株価が下げ幅を拡大したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、米長期金利が一段の低下となったことで、日米の金利差縮小が意識されたことも円買いを後押しした。
本日のトピックス
トルコの裁判所では、本日トルコで拘束されている米国人牧師の処遇を巡る裁判が予定されており、結果が注目されている。牧師は2016年のクーデター未遂事件を起こした反政府勢力を支援した罪に問われて拘束されたが、関与を否定している。この件に関して、米国はトルコに制裁を科すなどして牧師の解放に向けた圧力をかけており、両国の対立が続いている。そして、昨晩、米国人牧師の釈放で合意したとの報道が流れたが、先週エルドアン・トルコ大統領が「処遇を決めるのは政治家ではなくトルコの裁判所だ」との見解を示していることもあり、裁判所の出す結果が注目される。その結果がトルコリラ相場に影響する可能性が考えられることから、トルコリラの動きには注意したい。
米国市場では、輸入物価指数、ミシガン大消費者信頼感指数の意発表が予定れているが、昨日の消費者物価指数の低下を受けて米国の金利が低下するなど影響を受けていることから、輸入物価指数の結果には一応注意したい。
10/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
9月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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0.2% | -0.6% |
前回は、市場予想を下回り、2016年1月以来の大幅なマイナスとなった。燃料が2016年2月以来の最大の落ち込みとなったことなどが影響した。今回は、物価上昇が見込まれており、輸入関税の影響も加味されれば予想以上の伸びとなる可能性も指摘されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
10月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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100.5 | 100.1 |
前回は、市場予想を下回ったものの6ヵ月ぶりの高水準となった。2004年以降では、3度目の100超えとなり、消費者が楽観的な見方を示していることが示された。今回は、若干の上昇が予想されており、3月に付けた14年ぶりの高水準(101.4)に迫れるか注目。 |