前営業日トピックス
連休明けの東京市場では、日経平均株価が大きく下落したことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後、前日大幅下落した中国株が底固く始まったこともあり、値を戻したものの、日経平均株価が下げ幅を拡大したことから上値の重い動きが続いた。
米国市場では、新規材料に乏しい中、米10年債利回りの低下が続いたことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、トランプ米大統領がFRBの利上げペースが速すぎると批判したことを受けて、ドルは一段の下落となった。また、米株式市場では、ダウ平均株価が小幅反落となったが、ハイテク株中心のナスダックは4営業日ぶりに反発となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れを受けて、序盤から上値の重い動きとなった。海外市場の株価下落を受けて、日経平均株価が序盤から下落したことで、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
(2)仲値公示通過後は、前日大幅下落となった中国株が底固い動きとなったことを受けて、日経平均株価が下げ幅を縮小し、ドル円・クロス円は値を戻した。さらに、時間外取引で米10年債利回りが上昇したこともドルの押し上げ要因となった。その後、金利が低下したことから、上値の重い動きが続いた。
(3)米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、約7年ぶりの高水準に達した米10年債利回りの低下が続いたことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調となった。また、ヘイリー米国連大使が年末で退任すると伝わったこともややドルの圧迫要因となった。終盤には、トランプ米大統領がFRBの利上げペースが速すぎると批判したことを受けて、ドルは一段の下落となった。一方、英国のEU離脱を巡り、来週開かれるEU首脳会議の前に双方が合意する可能性があると、交渉担当者らが考えているとの報道を受けて、ポンドは大半の主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
昨日も時間外取引の米国債利回りが相場を左右しており、7年ぶり水準に上昇した10年債を含む米国債金利の行方が引き続き注目される。また、中国経済に対する懸念も燻っていることから、中国株の動向も注目されている。そして、米国市場では、生産者物価指数に加え、3年債360億ドルと10年債230億ドルの入札が予定されている。このところの米国債利回りの上昇が続いていることもあり、入札の結果に注目が集まっている。特に、米国債利回りが上昇するようなら、米株価にも影響を与える可能性もあり、また金利上昇が新興国通貨安に繋がるようなら、投資家のリスク回避ムードが高まる可能性が考えられる。
10/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
9月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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0.2% | -0.1% |
前回は、市場予想を下回り、2017年2月以来1年半ぶりのマイナス幅となった。サービスや食品の下落が要因となった。また、コア指数も予想を下回り、昨年12月以来のマイナス幅となった。今回は、前回の反動で上昇が予想されており、一部では予想以上の伸びを期待する向きもあることから、結果が注目される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、 高値から軟調な動きとなっており、オシレーターのMACDでは両線がクロスして乖離幅が拡大していることから、調整局面入りと考えられる。一目均衡表の転換線を下抜けており、次は基準線がポイントとなる。ここからは、基準線近辺で底固い動きとなるのか、下抜ける動きとなるのか注目したい。下抜けとなる場合には、一段の下げとなる可能性が考えられる。
基準線は、現在112.463での横ばいが続いており、週末までは横ばいが続くが、来週10/15には112.699、10/16に112.805、10/17に112.828と上昇となる。方向性を示すとされる基準線だが、下げ局面の時はサポートされるかがポイントとなる。そして、基準線を下抜ける場合には、(1)112.16 (2)111.60 (3)111.47 が下値ターゲットと考えられる。
目先の上値のポイント
(1)113.39(前日高値)(2)113.56(レジスタンス)(3)113.94(重要レジスタンス)
目先の下値のポイント
(1)112.82(直近安値)(2)112.56(サポート)(3)112.46(基準線)