前営業日トピックス
東京市場は、日本の祝日で主要市場が休場となり、序盤から小動きの展開が続いた。その後、中国株、人民元が下落したことに加え、中国経済への先行き警戒感、イタリアの財政問題への懸念再燃を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まり、相対的に安全な資産とされる円を買う動きが広がった。
米国市場では、コロンブスデーの祝日で一部市場が休場となり、序盤は限定的な動きとなった。しかし、米主要株価が下落したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。引けにかけては、株価が下げ幅を縮小し、ダウ平均株価はプラス圏まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は値を戻した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本の祝日で新規材料に乏しく、小動きの展開が続いた。中国本土株式市場が1週間の休場明けとなることから値動きが注目されていたが、外国人投資家を中心に大量売却となり、上海総合が3.7%下落となるなど、軒並み大幅下落となった。中国株の下落に加え、欧州主要株価も下落したことが加わり、ドル円・クロス円は軒並み軟調な動きとなった。一方、イタリアのサルビーニ副首相は、欧州にとって本当の敵はユンケル欧州委員長とEUの官僚らだと名指し、予算に制限をかけ、開かれた国境を推進していると非難した。この発言を受け、イタリアの国債と株式は急落し、ユーロも下げ幅を拡大した。
(2)米国がColumbus Day(コロンブスデー)の祝日で債券市場が休場となり、序盤はやや薄商いから限定的な動きとなった。ポンペオ米国務長官が、北京で中国の王毅外相との会談で、辛らつな言葉のやり取りを交わし、根本的な意見の相違があると表明したことを受けて、米中貿易摩擦に対する懸念が高まったことや、中国株、人民元の下落を受けて、中国経済への先行き警戒感が高まったことも加わり、投資家のリスク回避姿勢が強まり、相対的に安全な資産とされる円を買う動きが広がった。一方、イタリアの財政問題への懸念再燃を背景に、ユーロは対ドルで8/20以来の安値を付け、対円でも9/13以来の安値まで下落した。
本日のトピックス
海外市場の株価の下落を受けて日本株も下落しており、投資家のリスク回避が意識されてドル円・クロス円は上値の重い動きが続いている。米中の貿易問題、イタリアの予算問題など、火種はあったものの、このところはやや静かだったが、同時に懸念が高まったことから反応が大きくなった。引き続き、関連する報道などには注意が必要だろう。そして、米国市場では、主要な経済指標の発表がないことや、ドル/円は114円台の高値からの調整も加わっていることから、上値の重い動きが続く可能性も考えられる。世界的に株価が反発するようなら、ドル円・クロス円の下げも一服するだろうが、引き続き下落するようなら、一段の下げとなる可能性も考えられる。そのため、株価の動き、特に下げのきっかけとなった中国株の動きには注目したい。