前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、堅調な動きとなった。米長期金利の上昇で日米金利差拡大観測を背景にドル買い・円売りが先行し、ドル/円は、昨年11/6以来の高値を付けた。しかし、堅調な展開で始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落となり、下げ幅を拡大したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利が低下したことを受けて、ドルは序盤から軟調な動きとなった。また、米主要株価が大幅下落となったことも加わり、投資家のリスク回避姿勢が強まったことから、ドル円・クロス円は軟調となった。その後は底固い動きとなり、ドル円・クロス円は終盤にかけて値を戻した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国市場で、米経済指標が良好な結果となったことや、パウエルFRB議長の発言を受けて米長期金利が上昇したことを受けて、ドル買いとなった流れを引き継ぎ、序盤に114.55まで上昇し、昨年11/6以来の高値を付けた。その後は、上昇一服感からやや上値の重い動きとなった。
(2)堅調な展開で始まった日経平均株価がマイナス圏に下落したことや、輸出勢のドル売り・円買いも入ったことがドルの圧迫要因となった。さらに、米株価先物や欧州主要株価が下落したことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)欧州タイムに、2011年5月以来、約7年5ヵ月ぶりの高水準を付けた米10年債利回りが、米国タイムに低下となったことを受けて、ドルは序盤から軟調な動きとなった。また、米主要株価が大幅下落となったことも加わり、投資家のリスク回避姿勢が強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。一方、トゥスクEU大統領が英国のEU離脱での合意を真剣に考えていると発言したことを受けて、欧州タイムからユーロは対ドルで堅調な動きとなった。
(4)週末の米雇用統計が強い内容になるとの期待感からドルは底固い動きとなり、ドル円・クロス円は終盤にかけて値を戻した。一方、アイルランド国境問題が良い方向に向かっているとのEU当局者の発言が報道されたことを受けて、ポンドは対ドルなどで堅調な動きとなった。
本日のトピックス
良好な米経済指標結果や、米国債利回りの上昇を背景としたドルの上昇が一服しており、調整が続くのかが注目される。本日、米国市場では雇用統計の発表が予想されており、結果に対する期待感もあることから、雇用統計までは底固い動きが続く可能性もあるだろう。そして、米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を上回るかどうかで、発表直後の初動が左右されるだろう。その後は、賃金の伸びが相場を左右する可能性が考えられることから結果に注目したい。
雇用統計では、賃金の伸びが長らく懸念要因となっていたが、前回の結果が2009年5月以来の高い伸びとなったことで、賃金の加速期待が広がっている。引き続き伸び幅が拡大するようなら、ドルの押し上げ要因となる可能性も考えられる。ただ、反面伸び幅が低下する場合には、再びネガティブな要素ととらえられる可能性もあるだろう。
10/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
9月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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18.5万人 | 20.1万人 |
前回は、市場予想を上回り、安定的な伸びとされる+20万人を上回る結果となり、7月の鈍化らか改善し、7月の低下が一時的だったことが示された。今回は、やや伸び幅の低下が予想されているものの、民間のADP雇用統計が良好な結果となったことから、上振れを期待する向きもある。 | ||||
21:30 | 米国 |
9月平均時給(前年比) |
2.8% | 2.9% |
前回は、市場予想を上回る伸びとなり、2009年5月以来の高い伸びとなった。今回は、伸び幅が若干低下すると予想されているものの、予想通りの伸びならば、堅調な伸びが維持されているとの見方が広がるだろう。そして、予想以上の伸びとなるようなら、ドルの押し上げ要因となる可能性もあるだろう。 |