前営業日トピックス
東京市場では、海外市場でイタリアの国債利回りが上昇したことなどを懸念した円買いが先行した。また、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことも影響した。その後、イタリアが財政赤字の対GDP比を圧縮することを目指すとの一部報道を受けて、ユーロを中心にドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表されたADP雇用統計、ISM非製造業景況指数が良好な結果となったことを受けて、ドル買いが先行した。さらに、米主要株価が堅調な動きとなったことや、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル買い・円売りが優勢となった。特に、ドル/円は昨年11/6以来の高値を付けた。また、米株式市場では、ダウ平均株価が5営業日続伸となり、連日の最高値更新となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)イタリアの財政赤字を巡る懸念が引き続き材料視され、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が軟調な動きとなったことに加え、最近のドル/円の上昇で輸入勢のドル買いが手控えられる中、輸出勢のドル売り・円買いが目立った。
(2)イタリアが2021年に財政赤字の対GDP比を2%まで圧縮することを目指すとの報道をきっかけに、ユーロ買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期債利回りが上昇したことも円売り要因となり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
(3)ADP雇用統計が市場予想を上回ったことや、ISM非製造業景況指数が21年ぶりの高水準となったことを受けて、米景気は堅調との見方が広がり、ドル買いが優勢となった。終盤には、パウエルFRB議長が段階的な利上げが必要との発言したことを受けて、米10年債利回りが3.1851%まで上昇し、7年3ヵ月ぶりの高水準となったことで、日米金利差拡大が意識されたこともドルの押し上げ要因となった。ドル/円は昨年11月以来の高値を付けた。
本日のトピックス
米国の指標結果や金利上昇を受けて、ドル買いが優勢となったが、東京市場では、やや一服となっている。最近の急角度での上昇を受けて、一部では高値を警戒する見方もある。そのため、やや上値の重い動きも見られるが、明確な材料には反応することから、本日の米経済指標の結果や、米国の金利動向などに注目したい。本日は、米国の人員削減数、失業保険申請件数、耐久財受注の発表が予定されているが、雇用統計を控えていることもあり、昨日同様に雇用関連の指標結果は注目したい。また、米国の政策金利の動向に敏感な2年債利回り、米長期金利の指標となる10年債利回りの上昇が続くのかどうかもドルの動きを左右することから、こちらにも注目したい。
10/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.3万件 | 21.4万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、ハリケーン「フローレンス」の影響を受けた州の増加が影響した。今週は、引き続き影響が残る可能性があるものの、過去のハリケーンと同様に、1-2週間の短期的な影響に留まるだろう。また、依然として歴史的低水準を維持していることから、懸念要因とはならないだろう。 |