前営業日トピックス
東京市場では、カナダと米国がNAFTA再交渉で合意したことが、引き続き材料視され、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、休場明けの香港株が序盤から大幅下落となったことが影響し、日経平均株価がマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が小幅高で引けたものの、欧州主要株価が下落して始まったことなどもあり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の低下に伴いドルを売って円を買う動きが先行した。その後、ダウ平均株価の上昇が好感されたものの、イタリアの財政不安を背景に、相対的に安全な通貨とされる円が買われ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価は序盤から堅調な動きとなり、一時前日比200円以上の上昇となった。しかし、アジア株式市場で香港株や台湾株などが軟調な動きとなったことが影響し、日経平均株価も上げ幅を縮小し、一時マイナス圏まで下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)午後に入り株価が持ち直したことから、ドル円・クロス円も底固い動きとなったものの、イタリア極右政党「同盟」の有力議員が、イタリアが自国通貨を持てば、大半の問題は解決すると本当に確信していると発言したことが嫌気されてユーロが下落したことに加え、欧州主要株価が下落して始まったことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)下げ一服感から底固い動きとなったが、米国では主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の低下に伴いドルを売って円を買う動きが先行し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、ダウ平均株価の上昇が好感されたものの、ナスダックが軟調となるなど、まちまちとなったことから、上値は限定的となった。さらに、イタリアの財政不安を背景に、相対的に安全な通貨とされる円が買われ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ユーロは、イタリア連立政権の一角である「同盟」の複数の有力議員の発言を受けて、主要通貨に対して下落したことや、イタリアの財政悪化への不安を背景に、米国市場でも上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
イタリア連立政権の一角である「同盟」の複数の有力議員の発言がユーロの上値を重くしており、対ドルで6週間ぶりの安値を付けるなど、下げ幅か拡大している。また、米国でもトランプ米大統領の脱税報道が出るなど、来月の米中間選挙を控えたネガティブ・キャンペーンなのか、今後のマーケットへの影響が懸念される。
本日の米国市場では、ADP用統計、ISM非製造業景況指数の発表が予定されており、週末の米雇用統計を控えて関連の深い指標の発表が続くことから、結果が注目される。また、パウエルFRB議長など、複数の米当局者の講演での発言が予定されており、引き続き発言の内容にも注目したい。
10/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
9月ADP雇用統計 ![]()
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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18.4万人 | 16.3万人 |
前回は、市場予想を下回り、昨年10月以来の低い伸びとなった。今回は、やや伸び幅の改善が予想されているが、豊富な求人件数を背景に、より良い条件を求めた転職も増えており、従業員の確保も難しくなっている。特に、賃金を上昇させにくい小規模企業の雇用の結果に注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月ISM非製造業景況指数 ![]()
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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58.0 | 58.5 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、現況指数、新規受注、雇用が前回から上昇した。ただ、1年ぶりの低水準となった7月の反動だったこともあり、今回の結果が注目される。今年の平均が58.3であることから、平均を上回るのか、再び低下となるのか注目したい。 |