前営業日トピックス
東京市場では、序盤小動きの展開となったものの、連休明けの五・十日であることから、仲値公示にかけて本邦輸入企業のドル買い・円売りが優勢となった。ただ、その後は円の買い戻しから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、日米通商協議(FFR)を控えて様子見ムードが強まり、ドル/円は小動きの展開が続いた。そして、黒田日銀総裁の講演での発言があったものの、反応は限定的だった。
米国市場では、9月の消費者信頼感指数が18年ぶりの高水準となったことに加え、FOMCでの利上げが確実視されていることから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、米株式市場では、トランプ米大統領が貿易不均衡を容認しない姿勢を示したことから、米国と中国の貿易摩擦の長期化懸念を背景に、ダウ平均やS&Pは下落に転じて続落となったが、ナスダックは小幅続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本時間の朝方開始予定だった注目の日米通商協議(FFR)が夜に延期されたことから、積極的な売買を手控える動きが先行し、序盤から小動きの展開となった。その後、連休明けで実需の売買が集中する五・十日だったこともあり、仲値公示にかけてドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は112.98まで上昇した。
(2)仲値公示後は一服感から円の買い戻りが優勢となった。また、日米通商協議を控えて様子見ムードが出ていた。その中で、米国債利回りが堅調な動きとなったことからドルがユーロなどの主要通貨に対して買われたこともあり、クロス円も軟調な動きとなった。なお、黒田日銀総裁が、講演で複雑な経済・物価情勢の下で、金融政策も様々な情勢を勘案して運営することが適当との認識を示したが、マーケットの反応は限定的だった。
(3)米国のFOMCでの利上げが確実視される中、米債券市場で金利が上昇していることを背景に、日米金利差拡大を意識したドル買い・円売り優勢となった。また、9月の米消費者信頼感指数が2000年9月以来18年ぶりの高水準となったこと、リッチモンド連銀製造業指数が予想を上回ったことも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。そして、ナバロ国家通商会議委員長は輸入関税に関して、中国が報復措置を講じた場合、トランプ大統領は追加関税を課すと発言したが、反応は限定的だった。一方、メイ英首相が早期の総選挙の可能性を排除したことを背景に、ポンドは主要通貨に対して上昇した。
本日のトピックス
米国のFOMC、日米通商協議(FFR)の結果発表を控えていることや、ドル/円の値頃感もあり、積極的に動き難い展開が予想される。米FOMCの結果発表では、0.25%の利上げが確実視されており、マーケットではほぼ織り込まれていることから、利上げ発表も反応は限定的と考えられる。そして、今回を含めて年内あと2回の利上げ、来年の数回の利上げも織り込まれていることから、ドルの上値は重いとの見方もある。そのため、FRBの経済認識や今回は新たに21年の金利見通しが発表される予定だが、20年を下回らないかどうかが注目されている。また、パウエルFRB議長の発言の内容にも注目したい。そして、日米首脳会談、通商協議が行われているものの、詳細が報道されていないことから、関連する報道や会見などがある場合には注意したい。通商問題では自動車関連、ドル高・円安への牽制などが警戒されている。
9/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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63.0万件 | 62.7万件 |
前回は、市場予想を下回り、2017年10月以来の低水準となった。価格や住宅ローン金利の上昇で需要が抑制され、住宅市場の冷え込みが示された。今回は、若干の増加が予想されているが、懸念要因の改善が見られないことから、予想を下回る結果となるようなら、ドルの圧迫要因となる可能性も考えられる。 | ||||
翌3:00 | 米国 |
FOMC政策金利
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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2.00%-2.25% | 1.75%-2.00% |
今回のFOMCでは、0.25%の利上げが確実視されており、金利先物市場でも利上げ予想確率は100%となっており、マーケットではすでに織り込み済みとなっている。そのため、反応は限定的と考えられるが、12月の利上げの可能性や、新たに発表される金利見通しの結果が注目される。 |