前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な動きが一服し、ドル/円は上値の重い動きとなった。ポンドやユーロなどは、対ドルで堅調な動きとなったこともあり、対円でも底固い動きとなった。その後、日経平均株価が前日に続き300円以上の上昇となったことから、堅調な動きが見られたものの、上値は限定的となり、レンジ内の動きが続いた。また、日銀の金融政策発表や黒田日銀総裁の会見もマーケットへの反応は限定的だった。
米国市場では、序盤に発表された住宅関連の経済指標がまちまちの結果となったこともあり、序盤からやや小動きの展開が続いた。ただ、米国とカナダのNAFTA協議では、週内合意の可能性が低いとの関係者の話が伝わったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、ダウ平均株価が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなったが、値動きは小幅に留まった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米中の関税率が当初は10%程度となったことから、過度な懸念が後退し、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、東京市場では、一服感からやや上値の重い動きとなった。
(2)日経平均株価が序盤から300円以上の上昇となったことから、ドル/円は堅調な動きとなったものの、クロス円はやや上値の重い動きとなった。そして、日銀が金融政策の現状維持を決定したが、反応は限定的となり、ドル/円はここまで上下20銭の狭いレンジでの動きとなった。また、中国の李克強首相が輸出促進のための人民元切り下げを否定したと伝わると、摩擦緩和の観測から円が売られる場面もあったが上値は限定的だった。
(3)黒田日銀総裁の会見が注目されたが、為替市場では目立った動きは見られなかった。その後、米長期金利が上昇したことを受けてドルが買われる場面もあったが、上値は限定的となり、ドル/円はレンジ内の動きに留まった。
(4)米住宅着工件数は3ヵ月ぶりのプラスとなったが、着工件数の先行指標となる建設許可件数が市場予想を大きく下回り、2017年5月以来の低水準となるなど、まちまちの結果となったことで反応は限定的だった。その後、NAFTA(北米自由貿易協定)改定に向けた米国とカナダの協議が難航しており、週内に合意に至る可能性は低いとの関係者の話が伝えられたことから、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。しかし、米主要株価が堅調な動きとなったことや、米長期債利回りの上昇もあり、底固い動きとなった。
本日のトピックス
自民党総裁選では安倍首相の3選が予想されており、安倍首相が勝利すれば、長期安定政権、アベノミクス継続が好感され、海外投資家の買いなどから日経平均株価の上昇も期待される。そして、自民総裁選後は日米通商協議にマーケットの注目が移る。現状では、先のトランプ米大統領の発言もあり、米国の中間選挙が意識され、日本に対しても厳しい要求が出てくる可能性もある。特に自動車への関税などには注意が必要。
また、英国のEU離脱担当相は、北アイルランドとEU加盟国であるアイルランドの国境問題に関する英政府の提案が信頼できるとの見方を示したことから、オーストリアで開催されるEU首脳会議が重要な転機になるとの指摘もあり、期待感が高まっている。そのため、関連する報道や要人発言には注目したい。
米国市場では、来週のFOMCでの利上げが確実視(金利先物市場での利上げ予想確率は99.2%)されている中、米国債市場では政策金利の動向に敏感な2年債利回りが2008年6月下旬以来、10年ぶりの高水準に到達している。米10年国債利回りは約4ヵ月ぶり高水準をつけており、株価と共に債券市場の動きにも注目したい。金利上昇が続く場合には、ドルの下支え要因となるだろう。
9/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月中古住宅販売件数 ![]()
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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537万件 | 534万件 |
前回は、市場予想を下回り、4ヵ月連続の減少となり、2016年2月以来の低水準となった。物件の価格上昇とローン金利の上昇が圧迫要因となっている。今回は、若干の改善が予想されているものの、住宅市場の冷え込みを払拭するには至らないだろう。さらに低下が続くようなら、ドルの圧迫要因となる可能性もあるだろう。 |