前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤から小動きの展開が続いた。そして、海外の株高を受けて上昇していた日経平均株価が上げ幅を縮小したことを受けて、リスク回避が意識され、ドル円・クロス円は一段の下落となった。その後、積極的な売買が手控えられ、小動きの展開が続いたが、欧州タイム直前にトルコリラが下落するなど、新興国通貨が下落したことで、投資家のリスク回避の動きが強まり、相対的に安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。
米国市場でもドル円・クロス円の下落が続き、さらにトランプ米大統領が中国からの輸入品2000億ドル相当への関税を発動を支持しているとの報道を受けてドル売り・円買いが加速し、ドルは主要通貨に対して下落した。また、米中貿易摩擦に対する懸念が高まったことで、米主要株価は5営業日ぶりに反落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米GDPが市場予想を上回ったことや、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉で米国とメキシコが合意に達したことで、カナダとの協議も進展するとの期待感を背景に、ドル円・クロス円が上昇した流れが一服し、序盤は小動きの展開となった。月末であることや、新規材料に乏しいことも影響した。
(2)月末の五・十日だったが、実需のフローも限定的となり、仲値公示近辺でも動きは小動きとなった。その後、目立った材料がなく、積極的な売買が手控えられる中、オーストラリアの設備投資が予想外の大幅マイナスとなったことや、日経平均株価が上げ幅を縮小したことに反応し、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ただ、下げ幅は限定的となり、その後は再びもみ合いの動きが続いた。
(3)欧州タイム序盤にトルコリラなどが下落し、その後もトルコリラをはじめとした新興国通貨が売られる展開となったことで、投資家のリスク回避姿勢が強まり、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。そして、米国市場序盤に発表された米個人消費支出では、FRBが注目するPCEデフレーターが前年比で2012年以来の大幅な伸びとなったが、反応は限定的だった。
(4)トランプ米大統領が、2000億ドルの対中関税発動を支持との一部報道を受けてドル売り・円買いが強まり、ドルは主要通貨に対して下落した。また、米中貿易摩擦に対する懸念の高まりを背景に、米主要株価が下げ幅を拡大したことから、クロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
トランプ米大統領が、来週のパブリックコメント期間終了後(来週半ばに終了見込み)、2000億ドル規模の中国製品に対する追加関税を発動させる意向との報道を受けて、ドル円・クロス円は下落となった。ただ、ここまで発動された対中関税と同様に、ある程度織り込み済みだったこともあり、マーケットの反応も限定的だった。その一方で、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉でメキシコの基本合意したことや、カナダとも合意が近いとの報道もあり、中間選挙を見据えた動きとも考えられる。一部では追加関税の発動に懐疑的との見方もあり、来週まで様子見だろう。ただ、米経済の好調さが示されていることや、来月の利上げが確実視されていること、また新興国通貨下落に伴うドル買いを考えれば、底固い動きが続く可能性も考えられる。
※ 9/3-10の「マーケットトピックス」は、諸事情により休刊とさせていただきます。
8/31の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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95.5 | 95.3 |
前回は、市場予想を下回り、2017年9月以来の低水準となった。貿易摩擦をめぐる緊張が根強いことが影響した。現況指数は、6ポイント以上の低下となり、2011年8月以来で最大の下げ幅となった。今回は、速報値からの若干の上方修正が予想されているが、今週発表されたコンファレンスボードの信頼感指数が予想外の大幅上昇となり、17年ぶりの高水準だったことから、期待感も高まっている。 |