前営業日トピックス
東京市場では、先週末のジャクソンホールの講演でのパウエルFRB議長の発言を受けて、米国の利上げは緩やかに進むとの見方が広がり、ドル売り・円買いが先行した。また、米朝関係の不透明感が広がっていることに加え、米長期金利の低下も影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなったが、クロス円はやや上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことから、ドルは軟調な動きとなった。その後、メキシコと米国との間で貿易協定が締結されたことを受けて、米株価が堅調な動きとなり、投資家のリスク回避の動きが優勢となり、ドル円・クロス円堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)早朝の東京市場では、フロリダ州で開かれたオンラインゲーム大会の会場で銃乱射事件があり、4人が死亡し複数が負傷したとの報道を受けて、ドルは序盤軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が堅調な展開で始まったことを受けて、底固い動きとなった。
(2)月末を控えていることもあり、仲値公示にかけてドル売り・円買いが入ったことから、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。その後、ドル/円が先週末の安値の111.10を下回ったことから、投機筋のロングの投げも流入し、一段の下落となった。また、米長期金利の低下が続いたことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)ドルは底固い動きとなったものの、ユーロは、先週上昇が続き、午前中に対ドル、対円で8/2以来の高値を付けたことから、利益確定の動きが優勢となり、ユーロ主要通貨に対して下落した。
(4)海外市場では、前週末のパウエルFRB議長が緩やかなペースでの利上げを示唆したことが改めて材料視され、序盤からドルは上値の重い展開となった。さらに、シカゴ連銀全米活動指数が冴えない結果となったこともあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、メキシコと米国との間で貿易協定が締結されたことを受けて、米株価が堅調な動きとなり、投資家のリスク回避が優勢となり、ドル円・クロス円堅調な動きとなった。
本日のトピックス
昨日は、欧州タイム序盤の時間帯にトルコリラが下落するなど、この時間帯に急な動きとなるケースが続いている(海外投機筋の仕掛けとの見方も)。このことから、本日も欧州タイム序盤の動きには注意したい。米国とメキシコとの貿易協定が合意し、これを受けて株価が上昇するなど、投資家のリスク志向の動きからドル円・クロス円は比較的堅調な動きが続いている。しかし、各国の政治リスクに対する懸念も根強いことから、やや上値は限定的だろう。米国では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、このところ冴えない結果が続いており、消費者の先行きに対する期待度の低下が続いていることから、結果が注目される。
8/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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126.5 | 127.4 |
前回は、市場予想を上回り、前月からも上昇した。現況指数が17年ぶりの高水準となったが、6ヵ月先の期待指数が2ヵ月連続の低下となり、消費者が成長ペースの加速を見込んでいないことが示された。今回は、若干の低下が予想されている。しかし、依然として高水準が維持されていることから、懸念要因とはなり難いだろう。 |