前営業日トピックス
東京市場では、米中の関税発動を控えた様子見ムードから、序盤は小動きの展開となった。そして、党首選後のオーストラリア政権の混乱を嫌気して豪ドル売り・ドル買いが優勢となったことが、ドル/円を押し上げる一因となった。そして、米中の関税が発動されたが、想定の範囲内で織り込み済みであったことから反応は限定的だった。その後は、上昇していたドルもやや上値の重い動きとなり、全般的に小動きの展開となった。 米国市場では、序盤に発表された米新築住宅販売が冴えない結果となり、反応は限定的だった。その後は、米国の追加利上げに対する期待感などを背景に、ドルを買って円を売る動きが優勢となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、8/15以来、ユーロ/円は8/9以来の高値を付ける動きとなった。ドルは引けにかけて堅調な動きが続いたが、米株価下落などが影響し、クロス円は上値の重い展開となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国の追加利上げ観測や、オーストラリアの政局混乱を手掛かりに、円売り・ドル買いが先行した。特にドルは、対円など主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円はジリ高の展開となった。
(2)日本時間午後1時01分、予定通り米国は中国からの輸入品160億ドル、279品目に25%の追加関税を発動、一方、中国は同規模の米国製品に対して報復関税を課した。しかし、織り込み済みだったこともあり、マーケットの反応は限定的だった。その後は、株価が小動きの展開となったことや、パウエルFRB議長の講演を控えていることもあり、小動きの展開が続いた。
(3)米新築住宅販売が冴えない結果となったものの、米国の追加利上げに対する期待感などを背景に、ドル買いが優勢となったことから、反応は限定的となった。特に、金利差拡大観測から円に対して堅調な動きとなり、ドル/円は8/15以来の高値を付ける動きとなった。一方、ユーロ/円も序盤から堅調な動きとなり、8/9/以来の高値を付ける動きとなった。
(4)パウエルFRB議長のジャクソンホールでの講演を控えて様子見ムードから小動きの展開が続いた。しかし、イタリアの首相が、移民問題を解決しなければ、来年度のEU予算にイタリアは拠出しないと発言したとの報道を受けてユーロ売りとなり、ドルや円などに対して下落に転じた。また、株価の下落もあり、クロス円は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
ジャクソンホールで行われる年次シンポジウムで、パウエル米FRB議長の講演が予定されており、様子見ムードが高まる可能性が考えられる。トランプ大統領から利上げ批判圧力があったが、中央銀行の独立性から毅然とした態度を示すのか、またはハト派な発言となるのか注目されている。現時点では、来月の利上げが確実視されている上、12月の利上げも可能性が高まっていることから、金融政策に関する発言がタカ派的と受け取られる場合には、ドルの押し上げ要因となる可能性もあるだろう。
8/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-1.0% | 0.8% |
前回は、市場予想を上回り、3ヵ月ぶりのプラスとなった。輸送機器が軒並みプラスに転じたことが影響したが、輸送機器を除く受注は5ヵ月連続のプラスとなった。今回は、再びマイナスが予想されており、関税を巡る懸念が影響している可能性も考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の雲下限を下抜けたものの、再び雲の中に入り込み、基準線を上抜ける動きとなった。また、オシレーターのMACDでは、両線がクロスとなったことで、基調転換のシグナルとなっている。目先は、一目均衡表の雲上限を上抜ける展開となるのか、または抜けきれずに再び上値の重い動きとなるのか注目したい。上抜けとなる場合には、112.15、113.17を目指す展開も考えられる。
上値のポイント
(1)111.62(雲上限)(2)111.85(レジスタンス)(3)112.15(重要レジスタンス)
下値のポイント
(1)111.20(基準線)(2)111.00(サポート)(3)110.62(雲下限)