前営業日トピックス
東京市場では、トランプ米大統領の元顧問弁護士が選挙法に違反したことを認めたとの報道を受けて、投資家のリスク回避の動きから、比較的安全とされる円が買われる動きが優勢となった。その後は、下落して始まった日経平均株価が堅調な動きとなったことや、時間外取引で米長期債利回りが上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、米中通商協議や米FOMC議事録の公表などを控えて様子見ムードもあり、積極的な売買が手控えられた。
米国市場では、米国とメキシコのNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉の進展への期待感を背景にドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。そして、FOMC議事録では、9月の利上げが示唆されたものの、通商問題や新興国市場を巡る下振れリスクが指摘されたことから、ドルは上値の重い動きとなった。米株式市場では、ダウ平均株価が5営業日ぶりに下落したが、ナスダックは5営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米大統領の元顧問弁護士が、選挙運動の財務関連違反や銀行詐欺、脱税の罪を認め、ニューヨークの連邦検察当局と司法取引で合意に達したとの報道を受けて、リスク回避の動きが先行し、ドル円・クロス円はギャップダウンで始まった。その後も軟調な動きが続き、また日経平均株価が下落して始まったことも影響し、一段の下落となった。
(2)値頃感の買い戻しに加え、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じて堅調な動きが続いたこと、また米10年債利回りの上昇も影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、110.50まで上昇したが、重要なイベントを控えていることもあって、積極的には買い難い展開となり、上値の重い動きが続いた。また、ドル/円は110.50から上に売りが控えていることも圧迫要因となった。
(3)米国とメキシコのNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉の進展への期待感を背景にしたドル買いが優勢となった。米中古住宅販売は、予想外の悪化となったものの反応は限定的だった。一方、賃金の増加ペース加速を示すユーロ圏経済指標の結果が好感され、ユーロは序盤から堅調な動きとなり、ユーロ/円は一時8/9以来の高値を付けた。
(4)FOMC議事録では、9月の利上げが示唆されたものの、通商問題や新興国市場を巡る下振れリスクが指摘されたことから、ドルは一時下落する場面もあった。その後は、対中次官級協議の結果や米国の対中制裁関税、中国の対米報復関税の発動、ジャクソンホールの経済シンポジウムでの金融当局者の発言を控えて様子見ムードもあり、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
東京市場では、来月の米FRBの利上げが確実視(金利先物市場では9月の利上げ予想確率が92%)されていることを背景にドル買いが先行した。しかし、昨日から行われている米中次官級協議で、重要な結果が出されず、予定通り米国の制裁関税、中国の報復関税が発動される場合には、ドルを圧迫する可能性もあり、注意して見ておきたい。米経済指標では、新築住宅販売の発表が予定されているが、前日の中古住宅販売が予想外の悪化となったことから、結果に注目したい。
8/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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64.5万件 | 63.1万件 |
前回は、市場予想を下回り、2017年10月以来の低水準となった。また、販売価格は1年ぶりの低価格となった。今回は、増加が予想されており、鈍化が続く住宅市場に改善の兆しが見られるのか注目したい。 |