前営業日トピックス
東京市場では、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まっており、序盤から限定的な動きとなった。途中、上昇する場面があったものの一時的となり、その後も小動きの展開が続いた。また、注目された米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったことや、その後のISM 非製造業景況指数が冴えない結果となったことからドル売り・円買いが優勢となった。また、米中間で貿易を巡る対立が激しさを増したことも影響し、投資家のリスク回避の動きからドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米雇用統計への期待感が高まったことや、日経平均株価が上昇して始まったことも加わり、序盤は堅調な動きとなったものの、米中貿易戦争への懸念が上値を抑えた。一方、イタリア経済・財務相が、五つ星運動の党首であるディマイオ副首相と会談するとの報道を受けて、再び辞任の思惑が高まり、ユーロは軟調な動きとなった。
(2)米雇用統計を控えて積極的な売買が手控えられ、また日本の長期金利の上昇が一服したこともあり、限定的な動きが続いた。
(3)米雇用統計で景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったことや、その後に発表されたISM 非製造業景況指数が11ヵ月ぶりの低水準となったことから、今後の米景気減速が意識され、円買い・ドル売りが優勢となった。また、中国人民銀行が、為替フォワード取引の一部を対象に20%の準備金預け入れを義務付けると発表したことや、クドロー委員長が「関税や関税障壁、補助金をこれまで何度もわれわれは否定してきた。望むのは貿易改革だ。中国は実行していない」さらに「中国の経済は弱く、通貨も弱い。国民は逃げ出している。最後までやり通すというトランプ大統領の決意を甘くみてはならない」と発言したこと受けて、米中間で貿易を巡る対立が激しさを増したことも影響した。
本日のトピックス
本日は、内外での主要な経済指標の発表がなく、やや新規材料に乏しい。先週末の米経済指標の結果を受けて米景気の先行き懸念が指摘されたことや、米中貿易に対する懸念高まったことが引き続き材料視される可能性もあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続く可能性が考えられる。しかし、マーケットでは、先週から要人発言に敏感に反応していることから、突然の発言には注意したい。
気まぐれ投資コラム
ドルの買い越し縮小、ポンド、豪ドルの売り越し拡大
CFTC(米商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の投機部門の取組(7月31日までの週)では、ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する買い越し額が減少しました。ドルの買い越し額は200億6000万ドル(前週203億3000万ドル)と縮小、買い越しは7週連続。
また、ユーロの買い越しは2万2825枚(前週2万9640枚)、円の売り越しは6万8457枚(前週7万3769枚)、ポンドの売り越しは4万7386枚(前週4万6743枚)と2017年9月以来の高水準、豪ドルの売り越しは5万1476枚(前週4万5486枚)と2015年11月以来の高水準となっています。
※出所:CFTCのデータを基にSBILMが作成
※出所:CFTCのデータを基にSBILMが作成