前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落したことから、序盤やや上値の重い動きとなった。ただ、日銀の金融政策決定会合の結果発表を翌日に控えて様子見ムードが出ていることもあり、限定的な動きとなった。その後、実需のドル買い・円売りフローが入り、ドル買い・円売りが優勢となったが、日本の長期金利が上昇したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。 米国市場では、序盤に発表された米中古住宅販売仮契約が前月比で予想を上回る結果となったものの、前年比では3月以来のマイナス幅となったことなどが影響し、ドルは大半の主要通貨に対して下落した。ただ、日銀の金融政策決定会合や米FOMCの結果公表を控えて様子見ムードも強く、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けで新規材料に乏しい中、週前半の日銀金融政策決定会合を控えて様子見ムードから序盤から小動きの展開となった。そして、日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、リスク回避的な円買いも見られ、やや軟調な動きとなった。月末の五・十日で仲値公示にかけて本邦輸入企業によるドル買い・円売りフローが入り、ドル円・クロス円は反発となった。
(2)日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、10年債利回りが0.110%と2017年2月以来1年半ぶりの高水準を付ける動きとなり、円が買われる動きとなったが、日銀が「指し値オペ」を通告したことから、やや値を戻す場面もあった。ただ、日銀の金融政策決定会合や米FOMCの結果公表を控えて様子見ムードも強まっており、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きが続いた。
(3)米国市場では、引き続き小動きの展開となったが、米長期金利が低下したことや、米中古住宅販売仮契約が前月比で予想を上回る結果となったものの、前年比では3月以来の大きなマイナス幅となったことで、引き続き住宅市場に対する懸念を背景に、ドルは大半の主要通貨に対して下落した。その後は、やや長期金利の上昇もあり、ドルは底固い動きとなった。
本日のトピックス
日銀の金融政策決定会合の結果発表が予定されているが、先週日銀が長期金利目標やETF(上場投資信託)買い入れの柔軟化などを検討しているとの報道が相次いだことで、思惑が交錯している。現行のイールドカーブ・コントロール付きの量的・質的金融緩和における長期金利目標やETFなど資産買い入れ手法の柔軟化などが見込まれている。その一方、首相が休暇中であり、マーケットへの影響は避けたいことから、今回は変更なしの現状維持との見方もある。結果を受けて、過敏に反応する可能性も考えられることから、為替や株価の動きには注意したい。そして、発表された結果に対して黒田日銀総裁がどのように説明するのか、会見での発言内容に注目したい。 米国市場では、PCEデフレーター、消費者信頼感指数の発表が予定されているが、FOMCの結果発表を翌日に変えていることもあり、反応は限定的と考えられる。
7/31の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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126.5 | 126.4 |
前回は、市場予想を下回る結果となり、今後の景気や所得の伸びに対する楽観が後退したことが影響した。現況指数はほぼ変わらずとなったが、期待指数が昨年12月以来の低水準となったことで、先行きに対する不安があることが示された。今回は、ほぼ変わらない水準が予想されているが、特に期待指数が改善するのか、さらに低下するのか注目したい。 |