前営業日トピックス
東京市場では、海外市場での株価上昇を受けて日経平均株価も上昇して始まり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。株価が上げ幅を縮小すると、上値の重い動きとなったが、実需のドル買い・円売りも入り、ドル円・クロス円は堅調となった。その後、米国とEUの首脳会談を控えて、様子見ムードから小動きの展開となったが、当局者の発言が報道されたことで、懸念が高まる場面もあった。
米国市場では、米欧首脳会談を控えて序盤は小動きの展開となった。ただ、米政府顧問は25%の関税発動を予想との報道を受けて、貿易摩擦への懸念が高まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日銀がETFの購入配分の見直しへとの報道を受けて、円が買われる場面もあった。しかし、EUが工業製品の関税引き下げに同意したことから、貿易摩擦の緩和に対する期待感からドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを受けて、序盤から小動きながら底固い動きとなった。日経平均株価が上昇して始まったことが好感されたが、下げ幅を縮小と、やや上値の重い動きも見られた。しかし、決済が集中する五・十日であり、仲値公示にかけて輸入企業のドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)米国とEUの首脳会談が予定されており、会談の結果を見極めようとのムードも出ており、小動きの展開が続いた。しかし、欧州委員が米製品への対抗関税を準備との発言が報道されたことを受けて、貿易問題に対する懸念が膨らみ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米欧首脳会談を控えて様子見ムードが出ており、序盤は小動きの展開となった。米住宅関連の経済指標が悪化したものの、反応は限定的だった。そして、米政府顧問が、外国製自動車2000億ドル相当に25%の関税が今年発動すると予想と米紙が報じたことを受けて、貿易摩擦への懸念が高まり、ドル円・クロス円は下落した。
(4)やや持ち直したものの、7/31の金融政策決定会合で、日銀が年6兆円購入しているETFの購入配分の見直しを検討するとの報道を受けて、円が買われた。しかし、終盤にはEUが工業製品の関税引き下げに同意し、貿易戦争の回避を目指すことで合意したことから、貿易摩擦の緩和に対する期待感が広がり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
米欧首脳会談が終了したことで、貿易問題の材料からECB理事会、米GDPにマーケットの注目がシフトしてくるだろう。ECB理事会では、前回12月にQE終了としたものの、政策金利は少なくとも2019年夏期まで据え置くとしたことで、利上げ開始時期が市場の想定より遅れるとの見方から、ユーロは大きく下落した。今回は政策の変更は無いものの、理事会後のドラギECB総裁の会見で、利上げ開始時期に関するヒントがあるのかどうかが注目されている。一方、週末の米GDPは好調な伸びが予想されており、徐々にマーケットに織り込まれてくる可能性もあるだろう。
7/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:45 | 欧州 |
ECB理事会 政策金利発表
ユーロ圏の統一的な金融政策を担う最高意思決定機関。理事会は、総裁・副総裁を含む幹部6人と、ユーロ圏各国の中銀総裁で構成され、原則として月に2回、ドイツのフランクフルトのECB本部で定例会合を開く。会合終了後は、ECB総裁が会見を実施する(議事録は公開していない)。
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0.00% | 0.00% |
前回は、政策金利は予想通り現状維持とした。ただ、年内にQE終了させるとしたが、政策金利は少なくとも2019年夏期まで現行水準に据え置き、満期償還金の再投資は購入終了後も長期にわたり続けるとしたことで、ユーロは下落した。今回は、現状維持がコンセンサスだが、利上げ開始時期に関するヒントがあるのか、理事会後のドラギ総裁の会見での発言内容には注目。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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3.0% | -0.4% |
前回は、市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続のマイナスとなった。また、輸送機器を除いたコア指数は予想を下回り、1月以来の低い伸びとなった。今回は、3ヵ月ぶりにプラスへの改善が予想されており、コア指数ともに改善するのか注目される。また、GDPの算出に使用されるコア資本財の出荷も前回マイナスとなったことから、こちらの結果にも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の基準線を下抜けて上値の重い動きが続いている。下値のポイントである108.11から113.17までの上昇に対する半値押しの110.64、また、サポートのポイントである110.50を下回らなければ、底固い動きが続く可能性も考えられる。ただ、下抜ける場合には、下げが加速する場合も考えられる。
相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、111.269で横ばいが続いているが、7/31から上向きに転換することから、相場の方向性にも注目したい。そして、それまでに転換線を上抜けていれば、上昇に勢いが付く可能性も考えられる。
上値のポイント
(1)111.00(レジスタンス)(2)111.269(基準線)(3)111.51(レジスタンス)
下値のポイント
(1)110.64(半値押し)(2)110.50(サポート)(3)110.00(サポート)
気まぐれ投資コラム
第2・四半期の米GDPはドルを押し上げるか?
米国市場では、7/27にGDP速報値(2Q)の発表が予定されていますが、事前予想が高水準であることや、米大統領が期待するコメントが報道されたことから、注目が高まっています。
第2・四半期の米GDP速報値の市場予想は、前期の2.0%を大きく上回る4.2%が予想されています。予想通りの結果となるようなら、2014年9月以来の高水準となります。そして、GDPの7割を占める個人消費関連の経済指標で見ると、5月の小売売上高は1.3%となり、過去3年間の平均の0.4%を大きく上回る結果となり、2017年9月以来の高い伸びとなっています。2017年9月の小売売上高は1.9%と高い伸びとなり、2017年7-9月期のGDPはその影響もあり3.2%と比較的高い伸びとなりました。また、トランプ大統領は、米GDP速報値の4.8%への上昇を期待しているとの報道もあったことから、さらに期待感も高まっています。その一方では、前期が2.0%だったこともあり、やや懐疑的な見方もあります。
予想通り、4%台の伸びとなるようなら、ドルの押し上げに寄与する可能性は大きいと考えられ、米大統領が期待する程の高い伸びとなるようなら、より強い上昇となる可能性も考えられます。また、好結果を期待して、発表が近付くにつれて、徐々にドルを押し上げる動きとなるとの見方もあり、発表までのドルの動きにも注目です。
※出所:データを基にSBILMが作成
※出所:データを基にSBILMが作成