前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れを受けて、序盤から堅調な動きとなった。前日の議会証言で、パウエルFRB議長が米経済への楽観的な見通しに言及し、追加利上げに前向きな姿勢を示したことが引き続き材料視され、ドル買い・円売りが続いており、一時半年ぶりの113円台まで上昇した。その後、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなったものの、ドルは再び113円台まで上昇したが、中国株の下落などが影響し、豪ドルなどはやや軟調な動きとなった。
海外市場では、中国が米国の鉄鋼・アルミ関税は、WTO(世界貿易機関)ルール違反だと表明したことを受けて、貿易問題に対する懸念が高まり、投資家のリスク回避の動きからドル円・クロス円は序盤に下落した。ただ、パウエルFRB議長が前日の議会上院に続く下院での議会証言で漸進的な利上げ継続姿勢をあらためて表明したほか、ベージュブックでも企業の楽観的な見通しが報告されたこともあり、ドル/円は底堅い値動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)パウエル議長が前日の議会証言を受けて、米国の利上げが進んで日米の金利差が拡大するとの観測が引き続き材料視され、ドル買い・円売りが先行した。特に、ドル/円は1月以来の113円台乗せとなった。また、日経平均株価が堅調な展開で始まったこともドル円・クロス円の押し上げ要因となった。その後は戻り売りが出たことや、米長期金利が低下したことが材料視されて反落となった。
(2)米国の利上げペースの加速期待を背景に、日米金利差拡大観測が引き続き意識され、底固い動きが続いた。そして、ドル/円は一時113.14まで上昇したものの、再び上昇は一時的となった。一方、香港、中国主要株価がマイナス圏に下落したことを受けて、豪ドルなどが軟調な動きとなった。
(3)海外市場では上値の重い動きが続き、米国タイム序盤では、中国が米国の鉄鋼・アルミ関税は、WTO(世界貿易機関)のルール違反だと表明したことを受けて、貿易問題に対する懸念が高まり、投資家のリスク回避の動きから円が買われる動きとなり、ドル円・クロス円は下落した。
(4)米住宅着工件数が大きく落ち込んだことも加わり、ドルはユーロやポンドなど主要通貨に対して下落した。しかし、パウエルFRB議長が前日の議会上院に続く下院での議会証言で漸進的な利上げ継続姿勢をあらためて表明したほか、ベージュブックでも企業の楽観的な見通しが報告されたこともあり、対円では底堅い値動きが続いた。一方、ユーロは対ドルで上昇が続いたことや、堅調な株価動向も影響し、対円でも反発となった。英ポンドは、英国のインフレ指標が市場予想を下回ったことや、英国のEU離脱交渉を巡る不透明感を材料に一時主要通貨に対して売られた。
本日のトピックス
前日の海外市場では、貿易問題に関して、中国側からの牽制的な表明を受けて、再び貿易問題が材料として注目されている。マーケットでは、米中の次の出方に注目が集まっており、やや様子見の展開も考えられる。双方からの声明や要人発言が出るようなら、敏感に反応する可能性も考えられる。また、米国の企業決算シーズンが比較的好調な滑り出しを見せる中、企業決算への期待感も高まっており、結果が株価に影響する可能性もある。貿易問題に関する続報などが無いようなら、こちらが材料視される可能性もあるだろう。