前営業日トピックス
東京市場では、前日米国市場が休場だったことから新規材料に乏しく、序盤から小動きの展開が続いた。その後、実需のドル買い・円売りなどから堅調な動きが見られたものの、日経平均株価や香港、中国株が下落したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、イタリア財務相の発言や、前日のECB関係者の発言が再び材料視されてECBの利上げ時期が早まるとの観測が広がり、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きとなった。そして、この流れがドル/円やその他のクロス円にも波及した。
米国市場では、米経済指標の結果がまちまちの結果となったことから、やや方向性の乏しい動きとなった。特に、7/6の米雇用統計発表や、米国の対中関税発動期限を控えて様子見ムードが強く、ドル円・クロス円はレンジ内の動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場が独立記念日で休場となったことから新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は序盤から狭いレンジ内の動きとなった。また、五・十日であることから、実需筋のドル買いフローがドルの下値を支えとなり、小動きながら堅調な動きとなった。
(2)日経平均株価が軟調な動きとなったことに加え、中国、香港株が下落して始まったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、米中の通商問題に対する懸念も上値を抑える要因となった。
(3)イタリア新政権のトリア財務相がユーロ離脱を誰も望んでいないと発言したことを受けて、ユーロの買い戻しが優勢となり、これに連れてドル円やその他のクロス円も堅調な動きとなった。また、ECBの政策担当者の一部が、来年末まで利上げがないと市場で見込まれていることに神経をとがらせているとの報道が改めて材料視され、一段の上昇となった。
(4)ADP雇用統計が冴えない結果となったが、ISM非製造業景況指数が強めの結果となるなど、経済指標はまちまちの結果となった。また、7/6の米雇用統計発表や、米国の対中関税発動期限を控えて様子見ムードが強く、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。ユーロは、ドイツの経済指標が好調だったこと背景に欧州タイムから堅調な動きとなったものの、米国市場では軟調な動きとなった。ただ、米国の駐ドイツ大使が、ドイツの複数の自動車大手トップと会談し、自動車関税撤廃を提案したとの報道がユーロの下支え要因となった。また、英国が示したEU離脱を巡る提案について、ドイツは実行不可能と考えているとの一部報道が嫌気され、ポンドは序盤に一段の下落となる場面があった。
本日のトピックス
日本時間の午後に米国の対中制裁関税の発動が予定されており、発動となれば、中国の対米報復関税の発動となる。ただ、対象規模はそれ程大きくない(340億ドル)と楽観的な見方があるものの、今後も通商問題に関する対立が続く可能性があり、マーケットは敏感に反応する可能性も考えられる。
米国市場では、雇用統計の発表が予定されており、前回予想に反して伸びた賃金の結果が注目されている。企業の労働者(高技能の労働者)獲得がやや困難な状況が続いており、賃金を引き上げていることもあり、賃金の上昇が続くとの見方も出ており、今回も予想以上の伸びとなるようなら、ドルの下支え要因となる可能性も考えられる。 前回、トランプ大統領が雇用統計発表前(約1時間ほど前)にツイッターで『雇用統計が楽しみだ』と投稿したことを受けてマーケットが反応していた。一部では、可能性は低いが今回もヒントがあるかもしれないとの思惑から大統領のツイ−トが注目されている。仮に関連するツイ−トがあれば反応する可能性が高く、また、ない場合でも結果に対する思惑が交錯する可能性があり、発表前の動きにはやや注意が必要だろう。なお、ホワイトハウスでは、前日に統計データを入手している。
7/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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+19.5万人 | +22.3万人 |
前回は、市場予想を上回り、3ヵ月ぶりの+20万人を上回る結果となった。ただ、前回結果が下方修正されたこともあり、マーケットの反応はやや限定的となった。今回は、再び+20万人を下回ると予想されている。ただ、完全雇用に近いことから、以前ほど+20万人超えに対する注目は薄れている。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月平均時給(前年比) |
2.8% | 2.7% |
前回は、市場予想に反して上昇となり、4ヵ月ぶりの高い伸びとなった。今回は、さらに伸びると予想されており、予想通りなら9ヵ月ぶりの高い伸びとなることから注目したい。最近の雇用に関する統計では、企業が労働者(高技能者)の確保に苦労しており、賃金を引き上げていることから、引き続き賃金の上昇が続くとの見方も出ており、予想以上の上昇を期待する向きもある。 |