前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から底固い動きとなった。日経平均株価は序盤から堅調な動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。その後、米長期金利が低下したことや、休み明けの香港市場の株価が大きく下落したこと、また日経平均株価が下落に転じ下げ幅を拡大したことが影響し、ドル円・クロス円も軟調となった。その後、ドル/円は値を戻したものの、111円台では上値の重い動きとなった。
米国市場では、中国人民銀行の幹部の口先介入と思われる発言を受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。また、序盤に上昇していた米主要株価が下落に転じたことや、貿易摩擦の激化に対する警戒感も影響した。特に、ドルは大半の主要通貨に対して下落した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。また、海外市場で発表された米経済指標が好調だったことが改めて材料視され、ドル買い・円売りが優勢となった。ドル/円は、一時5/22以来1ヵ月半ぶりに高値を更新した。
(2)日本や香港、中国などアジア各国で株価が下げ幅を拡大したことに加え、米長期金利が低下したことから、円を買う動きが優勢となり、ドル円・クロス円は下落に転じた。そして、貿易戦争への警戒感が株式市場を不安定にしているとの指摘も出ていた。また、豪中銀は政策金利を予想通り据え置きとし、声明文も6月からほとんど変わらなかったことから、豪ドルの反応は限定的だった。
(3)米長期金利が上昇したことや、欧州主要株価が堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、ドル/円は111円台では上値の重い動きとなった。
(4)中国人民銀行の幹部が、人民元の安定を維持すると相次いで表明したことから、元安に歯止めをかけるため一層強力な措置をとるとの観測が高まり、人民元買いとなった。また、円も連れ高となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、序盤上昇していた米主要株価が下落に転じたことや、貿易摩擦の激化に対する警戒感も影響した。ドルは、大半の主要通貨に対して下落した。一方、ユーロ圏の小売売上高が軟調だったことに加え、トゥスクEU大統領が欧州は貿易に関して最悪のシナリオに備えるべきだと指摘したことが影響し、ユーロも軟調な動きとなった。
(5)翌日の米独立記念日を控えて、米国の株式や債券市場などが短縮取引だったこともあり、終盤までは小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
依然として米中の通商問題には懸念が残るものの、トランプ米政権は中国企業による米ハイテク技術獲得に対し、CFIUS(対米外国投資委員会)の審査権限を活用して対応する方針を示しており、中国を特定するのを避ける可能性もある。また、制裁関税の発動となる7/6までに米国政府の態度が軟化する可能性も指摘されており、マーケットでは一部で楽観視する向きもある。
本日の米国市場は、米独立記念日(Independence Day)で休場となり、市場参加者が少なくなることに加え、7/6の米中関税発動を控えて様子見ムードが強まる可能性が考えられることから、限定的な動きが考えられる。ただ、通商問題に関する要人発言などには引き続き敏感に反応する可能性もあり、一応注意しておきたい。