前営業日トピックス
東京市場では、米朝首脳会談と米FOMCの内容を見極めたいとの思惑から、序盤から小動きの展開が続いた。やや薄商いの中、ドル買い・円売りが強まる場面もあり、これに米長期金利の上昇や日経平均株価が上げ幅を拡大したことも好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国の主要な経済指標の発表がないことに加え、様子見ムードから積極的な売買が手控えられていることもあり、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。その後は、米長期金利の上昇を受けて日米の金利差拡大が意識され、円を売ってドルを買う動きが優勢となる場面もあったが、やや値動きは限定的となった。また、米株式市場でも様子見ムードから小動きの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)カナダで開催されたG7サミットで、通商政策を巡り米国と6ヵ国の意見対立が解消されないまま首脳宣言が採択されたが、その後トランプ米大統領が首脳宣言を受け入れないとツイッターで発表したこともあり、序盤からやや上値の重い動きとなった。ただ、米朝首脳会談と米FOMCの内容を見極めたいとの思惑から、小動きの展開が続いた。
(2)積極的な売買が手控えられてマーケットが薄い中、まとまった円売り・ドル買いフローが入り、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米長期金利が上昇したことも影響し円が売られる動きとなった。
(3)米国の主要な経済指標の発表がないことや、歴史的な米朝首脳会談を控えて様子見ムードが強まっており、全般的にやや方向感に欠ける動きとなった。一時米長期金利の上昇を受けて円売り・ドル買いの動きが優勢となる場面もあった。また、イタリアが単一通貨のユーロを離脱する可能性を同国財務相が否定したとの報道を受けて、ユーロは主要通貨に対して上昇する場面もあった。いずれも、上値は限定的だった。
本日のトピックス
米朝首脳会談終了後は、FOMCやECB理事会にマーケットの注目が移ることから、各国の金融政策などが意識され、通貨により動きが変わる可能性が考えられる。また、英国では雇用統計、米国では消費者物価指数の発表が予定されており、特にFOMCを控えていることもあって、米消費者物価指数の結果が注目される。
6/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.2% | 0.2% |
前回は、市場予想を下回る結果となった。自動車や航空運賃が低下したことが影響した。ただ、1年ぶりの低い伸びとなった前月から改善した。一方、前年比では市場予想を下回ったものの、2017年2月以来の高い伸びとなった。今回は、前月比で前月から変わらずの伸びが予想されているが、前年比、コア指数は前回より伸び幅の拡大が予想されており、予想通り物価の伸びが見られるのか注目したい。 |
気まぐれ投資コラム
ユーロの買い越しは減少
CFTC(米商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の投機部門の取組(6/5までの週)では、ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する売り越し額が55億4000万ドル(前週48億5000万ドル)となり、小幅に拡大しました。ドルの主要6通貨に対する売り越し額はこれまで6週間連続で縮小していました。一方、ユーロの買い越し幅は8万9236枚(前週9万3037枚)から減少し、12/24の週以来最も低い水準となりました。また、円は約3400枚の売り越しとなりました。
※出所:データを基にSBILMが作成
※出所:データを基にSBILMが作成