前営業日トピックス
東京市場では、トランプ米大統領が米朝首脳会談の中止を通告したことを受けて、比較的安全とされる円が買われる展開で始まった。その後は、国内輸入企業によるドル買い・円売りに加え、米長期金利の上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調となる場面もあった。ただ、上昇一服後は、米長期金利が低下したことから円の買い戻しが優勢となった。
米国市場では、耐久財受注のコア指数が予想を上回ったものの、米長期金利の低下が続いたほか、イタリアやスペインの政局を巡る懸念が再燃し、ユーロは主要通貨に対して軟調なとなったことからクロス円の下落が足かせとなり、ドル円は109.11円まで下落する場面も見られた。その後は、値頃感のドル買い戻しが見られたが、米英市場が3連休となることで薄商いとなり、全般的に終盤まで小動きの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談の中止を通告したことから、投資家のリスク回避の動きが強まった流れを引き継ぎ、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)実需の売買が集中する5・10日だったことに加え、来週明けに米英市場が休場となることから、仲値公示にかけて国内輸入企業のドル買い・円売りが強まった。また、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)上げ一服後は、目立った材料もなく、米英市場の3連休を前に米債のポジション調整から金利が低下となり、円買い戻しの動きが強まった。また、欧州勢が円買い・ドル売りを先行させたことも影響し、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。
(4)耐久財受注は前月比低下も前月上昇の反動とも捉えられ反応は限定的だったものの、米長期金利の低下が続いていたこともあり、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。さらにユーロは、イタリアとスペインの政局を巡る懸念など、EU内の政治リスクが再燃し、主要通貨に対して軟調な動きとなった。特に、対円では2017年6月28日以来、対ドルでは2017年11月13日以来の安値を付ける動きとなるなどドル堅調地合いが続きドルインデックスは昨年11月以来の高水準となった。
(5)トランプ米大統領が、6月12日の首脳会談実現の可能性まだあると発言したことで、一部でやや楽観的な見方も出ており、ドルは堅調な動きとなった。ただ、米英市場が3連休となることで薄商いとなり、全般的に小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
米代表団が5/27、米朝首脳会談の準備作業のため南北軍事境界線にある板門店に入った。また、トランプ大統領は、先週末に米朝会談開催に向けた方策を探っていることを明らかにしたことを受けて、東京市場では、米朝首脳会談開催への期待感から買いが先行した。しかし、直前まで今後の展開を見極めたいとの思惑もあり、やや上値は限定的となった。本日は、英国・米国市場が休場となることから、市場参加者が少ないことも予想され、方向性に欠けるレンジ内の動きが続く可能性が考えられる。そして、材料に乏しい状況では、要人発言などに反応することも多く、特に米トランプ大統領のツイッターでの発信などにも反応する可能性があり、注意が必要だろう。