前営業日トピックス
東京市場では、米長期金利が上昇し、日米の金利差を意識したドル買い・円売りが先行した。ドル/円は、一時111円台まで上昇したものの、利益確定の動きから反落となった。その後は、米長期金利の低下や、米中の貿易協議の行方を見極めたいとの思惑もあり、上値の重い動きが続いた。欧州タイムでは、再びドル買い・円売りの動きも見られ、一時111.08まで上昇した。
米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、やや新規材料に乏しい中、米中貿易協議やイタリア政局に対する警戒感から、投資家のリスク回避の動きが優勢となった。また、111円台での値頃感の売りや米長期金利の低下も影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米中通商協議で、対中貿易赤字削減に向け中国が米国産品の輸入拡大などを提案したとの報道を受けて、ドル買いとなる場面もあった。その後に発表された日本の消費者物価指数が市場予想を下回ったものの、反応は限定的となった。仲値公示近辺では、実需のドル買い・円売りも見られ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)米長期債利回りが3.1244%まで上昇し、7年ぶりの高値を更新したことから、日米の金利差拡大が意識され、ドル/円は一時111.01まで上昇した。ただ、その後は米長期金利が下落に転じたことから円が買い戻され、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)米長期金利が低下したものの、依然として3%を上回っていることに加え、やや新規材料に乏しい中、欧州勢がドル買いを先行させたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は一時111.08まで上昇し、1/23以来の高値を付けた。
(4)協議が継続している米中貿易協議やイタリア政局に対する警戒感から、相対的に安全な通貨とされる円が買われた。そして、米長期金利が低下したことも円買いを後押しした。一方、イタリアで新政権が樹立された場合の経済政策を巡る警戒感に加え、ECBがフォワードガイダンス変更を来月に先送りする可能性が材料視され、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
本日のトピックス
欧州タイムでは、ドイツ市場が休場であることや、主要な経済指標の発表もないことから、やや限定的な動きが予想される。また、米国市場でも主要な経済指標の発表がないものの、先週末に続き複数の米地区連銀総裁の発言が予定されており、発言の内容が注目される。そして、このところの相場の先導役となっている米国債利回りの動きにも注目したい。