前営業日トピックス
東京市場は、五・十日に加え、スポット月末応答日となったことから、実需のドル買い・円売りが観測されるなど、ドル円・クロス円は堅調な値動きとなった。しかし、日経平均株価が前日のNY株の大幅下落の影響を受けて終日マイナス圏で推移するなど、上値の重い動きとなった。一方で、米国債利回りは3.0%付近の高値圏での推移を続けたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米国債利回りの上昇が続いたことや、NYダウが6日ぶりに反発したこと、日米の金利差拡大が観測されたことを背景に、ドル買い・円売りが優勢となった。一方、欧米の主要株価がやや軟調な動きとなったこともあり、クロス円はやや上値の重い動きも見られた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国市場の動きが一服し、序盤から小動きの展開となった。日経平均株価が下落して始まったものの、米10年債利回りが上昇となり、一時3.0071%まで上昇したことから、再び日米金利差拡大が意識され、円が売られた。商業決済が集中しやすい五・十日であることに加え、スポット取引での実質的な月内最終売買日に当たるため、仲値公示にかけて輸入企業のドル買い・円売りも観測された。
(2)米10年国債利回りの3%台が一時的となり、小幅低下したことや、日経平均株価が下げ幅を拡大したことを受けて、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ただ、午後に入り、株価が下げ幅を縮小したこともあり、底固い動きとなった。ただ、欧州市場序盤からユーロが1.22ドル割れと軟調になったことで、ユーロ/円も下落、ドル/円も108円98銭まで反落した。
(3)米国の主要な経済指標の発表がない中、米国債の増発や物価上昇ペース加速への懸念を背景に、米国債利回りが一段の上昇となったことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となった。米長期金利の指標となる10年債利回りは一時3.0334%まで上昇し、2014年1月上旬以来の高水準となった。また、政策金利の動向に敏感な2年債利回りは2.508%まで上昇した。日米の金利差拡大が意識され、ドル/円は終盤に109.39まで上昇し、2/8以来約2ヵ月半ぶりの高値を付けた。一方、米国債利回りの上昇でユーロ圏国債の需要が低減するとの見方から、ユーロは対ドルで下落し、3/1以来の安値を付けた。また、7月の大統領選挙で左派候補のアンドレス・オブラドール氏が優勢との世論調査の結果が引き続き影響し、メキシコペソは対ドルで1/12以来の安値を付けた。
本日のトピックス
欧州では、ECB理事会が予定されており、理事会後には政策金利などが発表される。先週、ECB関係者から量的緩和終了の示唆は7月まで待つとの見解が示されたことや、マーケットでは利上げは来年後半からとの見方も出ており、今回はハト派的な内容が予想されている。また、ユーロ高に言及する可能性も指摘されており、声明やドラギECB総裁の発言内容に注目したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。また、このところの相場の先導役となっている米国債利回りにも注目したい。そして、連日米大手企業の決算発表があり、本日はアマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、GM、インテル、ロイヤル・ダッチ・シェルなどが予定されているため、株価の動きにも注目したい。
4/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:45 | 欧州 |
ECB理事会、金融政策発表
ユーロ圏の統一的な金融政策を担う最高意思決定機関。理事会は、総裁・副総裁を含む幹部6人と、ユーロ圏各国の中銀総裁で構成され、原則として月に2回、ドイツのフランクフルトのECB本部で定例会合を開く。会合終了後は、ECB総裁が会見を実施する(議事録は公開していない)。
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前回のECB理事会の議事録がハト派的だったと受け止められたこともあり、今回の内容に注目が集まっている。金利などの政策は現状維持がコンセンサスとなっており、先週ECB関係者から量的緩和終了の示唆は7月まで待つとの見解が示されたことから、ユーロ圏の経済やインフレに関する議論が中心と考えられる。また、ドラギ総裁の会見も予定されており、ユーロ高牽制などの発言があるようなら、ユーロ相場に影響する可能性が考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
3月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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1.4% | 3.0% |
前回は、市場予想を上回る結果となり、2017年6月以来の高い伸びとなった。コア資本財が昨年9月以来、輸送機器が昨年6月以来の大きな伸びとなったことが影響した。今回は、伸び幅が前回から縮小となるが、コア指数ともにプラスの伸びが続くのかに注目した。市場予想と大きく乖離する場合には、為替市場の反応も大きくなる可能性が考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の雲上限を上抜けたことで、三役好転の強気シグナルとなり、上昇加速への期待が高まる。ただ、雲を抜けた時のチャート形状によっては、すんなりといかないケースもよくある。
雲上抜けて加速しない場合のパターンとして、雲上抜け時点で雲が横ばいである場合などは、一旦雲上限近辺で底固めをして、あらためて加速するケースがある。一方、雲を上抜け時点から雲が低下となる場合には、雲上限に沿って下落するケースもある。雲上限ラインを沿って動く点では同じだが、雲の形状が影響する場合もあり、今後の動きに注目したい。
オシレーターのMACDでは、両線上向きで乖離幅が拡大しているが、より短いタームのストキャスティクスで見ると、やや軟調を示唆する形状となっている。このことから、目先の動きに注目したい。
上値のポイント
(1)109.50(レジスタンス)(2)109.78(レジスタンス)(3)110.48(重要レジスタンス)
下値のポイント
(1)109.02(雲上限ライン)(2)108.78(前日安値)(3)108.54(サポート)