前営業日トピックス
東京市場では、米英仏によるシリア攻撃は一時的との見方を背景に、円売りが先行した。ただ、日米首脳会談を控えて警戒感も根強く、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。そして、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りも見られ、一時上昇する場面もあったが、仲値通過後は再び軟調な動きとなった。その後は、底固い動きが続いたものの、欧州勢がリスク回避の動きを先行させたこともあり、軟調な動きとなる場面もあった。しかし、トランプ米大統領が、ツイッターでロシアと中国が通貨の切り下げを批判したことで、貿易摩擦の激化などが意識され、ドル円・クロス円軟調な動きとなった。ただ、米企業の四半期決算に対する期待感を背景に、米株価が堅調となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週末に米英仏3ヵ国によるシリア攻撃があったが、シリア攻撃は一過性のものであるとの認識から、安心感が広がり、序盤はやや堅調な動きとなった。ただ、ムニューシン財務長官が、ロシアに対して追加経済制裁を発表するなど、米ロの緊張も高まっていることから、リスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(2)明日からの日米首脳会談を控えて、警戒感もあり、ドル/円は上値が重い動きが続いた。一方、本邦企業の英国企業のM&Aに絡む観測から、ファンド勢がユーロ/ポンドを売っているほか、ポンド/ドルも上昇基調となっている。
(3)シリア情勢の緊張緩和を材料に、海外市場序盤は安全資産とされる円を売る動きが先行した。しかし、トランプ大統領がツイッターで「ロシアと中国が通貨切り下げゲームを行っている」とし「容認できない」としたことが材料視され、貿易摩擦への懸念が再燃し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、米国債利回りの低下も加わり、ドルは円などの主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
米国市場では、住宅関連の主要な経済指標の発表や、FRB副議長の議会証言、当局者の発言が予定されており、結果や発言の内容に注目したい。特に、米中貿易問題や、シリア情勢の警戒感がやや一服していることから、材料視されやすくなるだろう。また、明日までの予定で日米首脳会談が予定されており、貿易に関して米国から厳しい条件が付きつけられるとの見方もあり、会談の内容に関する報道などにも注目したい。
4/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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126.6万件 | 123.6万件 |
前回は、市場予想を下回る結果となった。一戸建て住宅が2ヵ月ぶりのプラスとなったものの、集合住宅が大幅な減少となったことが影響した。今回は、前回からの増加が予想されている。2月の集合住宅の減少は、1月に大幅増加となった反動であり、相場への影響も少なかった。すでに住宅市場の好調がマーケットに織り込まれているが、市場予想からの乖離幅が大きくなるようなら、反応が大きくなる可能性も考えられる。 |