前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤から狭いレンジ内の動きとなった。ただ、実需のドル買い・円売りに加え、日経平均株価が上げ幅を拡大したこともあり、その後は堅調な動きが続いた。そして、欧州主要株価が大きく上昇して始まったことを受けて、欧州勢がドル買い・円売りを先行させたことも影響し、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
米国市場では、序盤に発表された経済指標が冴えない結果となったものの、米貿易収支で対中赤字が減少したことなどもあり、やや下支えされた。また、米国の貿易問題に関する要人発言を受けて、貿易摩擦への懸念が後退したことから、リスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は2/28以来の高値を付けた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)NEC(米国家経済会議)委員長が中国との対話を重視する姿勢を示したことを受け、リスク回避の動きが後退した海外市場の堅調な動きが一服し、序盤から小動きの展開となった。ただ、期初の五・十日であることから、仲値公示にかけてドル買い・円売りも見られた。
(2)日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比で400円以上の上昇となったことが影響し、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。そして、欧州主要株価が大きく上昇して始まったことも加わり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米雇用関連や貿易収支の発表が冴えない結果となったことから、やや上値の重い動きとなった。そして、トランプ大統領が、NAFTA(北米自由協定)を巡る合意はかなり早期にまとまる可能性が高いと指摘したことや、クドローNEC(米国家経済会議)委員長が、米国と中国は時間を経て貿易面で合意に至ると予想していると述べたことが伝わったことが好感され、米中の貿易摩擦への懸念が後退するとの見方が広がった。これを受けて、株価が堅調な動きとなったこともあり、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、相対的に安全な通貨とされる円を売ってドルを買う動きが優勢となった。
(4)株価上昇がやや一服となったことや、週末に米雇用統計の発表を控えていることから様子見ムードが強まり、終盤まで狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
米国の雇用統計の発表を控えて様子見ムードも強まりつつあり、発表まではやや限定的な動きも考えられる。雇用統計では、非農業部門雇用者数の結果が市場予想を上回るのかどうかが初動の動きを左右する可能性が考えられる。その後は、賃金の伸びの結果が影響すると考えられる。そして、パウエルFRB議長による経済見通しに関する講演も予定されていることから、発言の内容にも注目したい。また、連日貿易問題に関する要人発言が続いており、その度に敏感に反応していることから、引き続き関連する発言には注意したい。
4/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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+18.5万人 | +31.3万人 |
前回は、市場予想を上回り、2016年7月以来の高い伸びとなった。過去最高となった求人数なども影響し、雇用情勢は堅調との結果が示された。今回は、前回からの反動もあり、大きく伸びが低下すると予想されている。ただ、完全雇用に近い状況であることや、職が豊富であることから、月ベースの変動は今後も大きくなる可能性も考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
3月平均時給(前年比) |
2.7% | 2.6% |
前回は、市場予想を下回る結果となり、昨年11月以来の低い伸びとなった。今回は、前回から若干伸び幅が拡大すると予想されているが、堅調な結果が示される場合には、ドルの押し上げ要因となるものの、懸念が残る結果となるようなら、ドルの圧迫要因となることから、結果に注目したい。 |