前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことが影響し、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調となった。その後は、株価が下げ幅を縮小したことが影響し、底固い動きが続いた。ただ、黒田日銀総裁の発言を受けて、一時円買いとなる場面もあった。
米国市場では、米自動車販売が好調だったことなどを受けて、主要株価が大きく上昇となり、投資家のリスク回避の動きが和らいだことから、ドル円・クロス円は堅調な結果となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)中国が、米国から輸入する128品目を対象に最高25%の関税を上乗せすると発表したことから、米中貿易摩擦に対する懸念が引き続き材料視され、安全資産とされる円を買ってドルを売る動きが先行した。また、日経平均株価が330円以上の下落となったことも影響した。
(2)下げ一服後は、新年度であることから輸入企業などのドル買いも入り、底固い動きとなった。また、日経平均株価が下げ幅を縮小したことも、ドル円・クロス円を下支えた。ただ、黒田日銀総裁の出口関連の発言を受けて、一時円を買い戻す動きも見られた。
(3)米主要な経済指標の発表がないものの、米大統領が批判していたインターネット小売り大手に対して、ホワイトハウスでは何らかの行動を起こす可能性は議論されていないと報道されたことを受けて、序盤から株価が反発となった。また、米自動車販売が予想を大きく上回る伸びとなったことも株価を押し上げ、リスク回避の動きが和らぎ、相対的に安全な通貨とされる円を売ってドルを買う動きが優勢となった。
本日のトピックス
欧州市場では、ユーロ圏の失業率、消費者物価指数が発表予定となっている。金融政策や当局者の発言に影響する可能性もあり、結果が注目される。一方、米国市場でも、ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数の発表が予定されており、週末の米雇用統計を予想する上で参考にされることから、結果を受けて動きが出る可能性もあり、注目したい。また、前日の米自動車販売が好調だったことから、米国の消費の冷え込みへの懸念が和らいでいるものの、依然として米中貿易摩擦をめぐる懸念が燻っていることから、やや上値は限定的と考えられる。そして、貿易関連の要人発言にも注目したい。
4/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
3月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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+21.0万人 | +23.5万人 |
前回は、1月からやや伸びが低下したものの、市場予想を上回る結果となり、引き続き労働市場の強さが続いていることが示された。今回も、前回からの低下が予想されているが、安定的な伸びとされる+20万人を上回れば、懸念要因とならず、ドルの下支え要因となるだろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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59.0 | 59.5 |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、1月からは低下となった。ただ、2005年以来の高水準近辺を維持していることもあり、大きな影響とはならなかった。今回もやや低下が予想されているが、前日発表されたISM製造業指数は予想を下回る低下となったことから、注意して見ておきたい。 |